Japan Association for Medical Informatics

[4-G-3-01] 患者へのWebアンケート調査に基づいたオンライン診療および医療機関の電子化の在り方に関する調査研究

*Mayumi Yoshida1, Ryuichi Yamamoto1 (1. (一財)医療情報システム開発センター)

Online medical care, Questionnaire survey, MHLW Guidelines for Safety Management of Medical Information Systems, Covid-19

新型コロナウイルスの変異種の影響やワクチン供給の遅れにより感染者の増加が止まない。 医療体制のひっ迫を防ぐため、墨田区モデルのように地域で連携して新型コロナ対応と通常の診療体制の維持の成功事例もある。一方で、受診控えへの対策としてオンライン診療が注目され、条件はあるが初診からのオンライン診療も可能とする時限的措置で緩和もされている。オンライン診療は便利で身近な存在となったが、患者側の環境やITリテラシーも一定の基準は望めず、 オンライン診療の提供側も対面診療と両方に適した環境設備を備える医療機関は少ないことも事実である。 上記を踏まえ、サイバーセキュリティに特化した指針が必要とされる。我々は指針の適切な策定のために、 患者を対象にオンライン診療や医療の電子化への意識や現状を把握するため3月にWebアンケートを実施した。 回答者は1年以内に受診歴のある18歳以上1033名(男女比46:54)で、オンライン診療の経験者は52名(男女比48:52)、 受診先は「受診歴のある(いわゆる、かかりつけ)医療機関」が大部分で、患者は殆どが自身の所有する情報通信機器を利用し、 経験者の殆どはオンライン診療での受診に満足していた。対象者全員の意見では、今後のオンライン診療の必要性は肯定的意見が殆どだったが、電子カルテやオンライン診療システムで取扱う 電子データの管理について、患者にHPや掲示で丁寧な説明が必要とする意見が目立った。 オンライン診療では、患者が自身の端末に適切なセキュリティ措置を施していればウィルス感染はある程度防ぐことは可能なものの、 診療情報を管理する側の責任として診療情報を扱うシステムと患者と繋ぐオンライン診療システムの間は分離させ、仮にウィルス感染が起きた場合に 被害拡大を防止する措置が必要と考える。これらの状況を踏まえた上で、適宜、安全管理ガイドラインの見直しが必要であることが示唆された。