[1D09-11] 次世代材料（ODS鋼）

[1D09] 事故耐性燃料被覆管材としてのCe酸化物を分散させたFeCrAl-ODSフェライト鋼の開発

(1)通常運転時及び事故時におけるふるまい

*坂本 寛¹、大内 敦¹、高橋 克仁¹、平井 睦¹、青見 雅樹²、柴田 博紀³、鵜飼 重治³ (1. 日本核燃料開発、2. GNF-J、3. 北大)

キーワード：酸化物分散強化、フェライト鋼、アルミナ被膜、燃料被覆管、シビアアクシデント

現在、軽水炉の事故耐性燃料被覆管材としてイットリウム-ジルコニウム系酸化物を分散させて強化させたFeCrAl系ODSフェライト鋼の開発を進めている。このODS鋼は高温水蒸気耐性、水中腐食耐性、高温強度などで優れた特性を示すことが確認されている。一方で、このODS鋼は過剰酸素量の調整を誤ると高温水蒸気耐性が顕著に悪化することが分かっており、より成分調整が簡素で同様な性能を持つ代替ODS鋼の開発が望まれている。本研究では、代替候補材としてセリウム酸化物を単独で分散させたODS鋼押出棒材を試作し、通常運転時及び事故時におけるふるまいに関係する物性を調べた。その結果、試験を行った範囲では、イットリウム-ジルコニウム系酸化物を分散させて強化させたFeCrAl系ODSフェライト鋼と同程度の性能を持つ有望な代替ODS鋼であることが確認された。