2018年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 306-1 原子力安全工学(原子力施設・設備,PSAを含む)

[3B09-13] 軽水炉安全評価

2018年3月28日(水) 14:45 〜 16:05 B会場 (C1棟 C1-311)

座長:村上 健太 (長岡技科大)

15:45 〜 16:00

[3B13] LOCA時の燃料被覆管急冷破断限界に及ぼす照射影響の評価

*成川 隆文2,1、山口 彰1、張 承賢1、天谷 政樹2 (1. 東京大学、2. 原子力機構)

キーワード:LOCA、ジルカロイ-4、高燃焼度燃料被覆管、急冷破断限界、照射影響、不確かさの定量化

燃焼の進んだ燃料被覆管の冷却材喪失事故(LOCA)時の急冷破断限界の不確かさを定量的に評価するため、著者らは通常運転中に生じる被覆管の水素吸収を模擬して水素を添加した非照射ジルカロイ-4被覆管に対するLOCA模擬急冷破断試験の報告値に対し統計解析を実施し、等価被覆酸化量及び初期水素濃度を説明変数とした急冷破断確率評価モデルを構築してきた。本研究ではこのモデルにより評価した水素添加ジルカロイ-4被覆管の不確かさを考慮した急冷破断限界と、文献にて報告されている高燃焼度燃料被覆管(燃焼度66-76 GWd/t)のLOCA模擬急冷破断試験結果とを比較した。その結果、高燃焼度燃料被覆管は水素添加ジルカロイ-4被覆管の急冷破断確率5%の95%信頼水準に相当する酸化条件において破断せず、76 GWd/tまでの燃焼度が被覆管の急冷破断限界に及ぼす影響は顕著ではないことが分かった。