10:00 〜 10:15
[3L03] 汚染コンクリートの解体およびそこから生じる廃棄物の合理的処理・処分の検討
(4)コンクリート構造物の変質に関する検討
キーワード:高温、溶脱、非破壊CT-XRD連成法
福島第一原子力発電所のコンクリート廃棄物の汚染状況を把握するには、事故初期の高温環境下によるセメント硬化体の変質や、汚染水との接触による溶脱により損傷劣化したコンクリートの性状を適切に把握することが課題である。本研究では非加熱および400℃で加熱したセメント硬化体に対して人工海水の浸漬実験行い、大型放射光施設の白色X線を利用した非破壊CT-XRD連成法を用いて経時観察し、ひび割れやセメント水和物の変質などの微細構造評価をした。その結果、まず加熱後のセメント硬化体の外縁部からひび割れが観察され、回折測定からひび割れ近傍にCalciteの生成が確認された。また浸漬後の回折測定から、試料表面は非加熱、加熱供試体共に溶脱が確認されたが、加熱供試体において試料内部も大きく溶脱しており、これはひび割れの影響により溶脱が早く進行したことが示唆された。