2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-1 放射性廃棄物処理

[1B01-05] ガラス固化1

2022年9月7日(水) 10:30 〜 11:55 B会場 (E1棟2F 21番教室)

座長:宇留賀 和義(電中研)

11:30 〜 11:45

[1B05] 徐冷した模擬放射性廃棄物ガラスにおけるモリブデン相の結晶化

*菅原 透1、大平 俊明1、関根 彩可1,2、足立 麻希1,2、佐藤 瞳1 (1. 秋田大学、2. 日本原燃)

キーワード:ガラス固化体、ホウケイ酸塩ガラス、結晶化、モリブデン

ガラス固化工程でガラス融液が徐冷される際のMo相の結晶化挙動をさまざまな組成のガラスで調べた.ガラスのB2O3の低下とAl2O3の増加はNa2MoO4とPowellite(CaMoO4)の結晶化を促進する.固化体に含まれる廃棄物成分はMoの溶解度を高め,結晶化が抑制された.さらに,HLWガラスに希土類酸化物を添加することで,より一層,その効果が高まることがわかった.一方,ガラスに対するV2O5の添加はNa2MoO4の分相を抑制するとされているが,徐冷条件ではPowelliteが析出しやすくなることが判明した.これらのMo相の析出挙動は,熱力学平衡論に従った液-液不混和と過冷却メルトにおける核形成という2つ視点で解釈することができ,メルトの粘性率の組成依存性に基づいて定性的な推定をすることができる.