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[1B08] 廃止措置段階の原子力発電所におけるリスク評価手法の開発
(1)リスク評価の全体像と起因事象の選定
キーワード:廃止措置、リスク評価、被ばくリスク、解体作業、起因事象、イベントツリー
廃止措置中における原子力規制検査において、リスクに応じて検査の対象とする解体対象機器や作業工程を選定できるように、廃止措置中の原子力発電所を対象とした事故時公衆被ばくリスク評価手法の開発が必要である。廃止措置中は、運転中と異なり、事故時に放出される可能性のある放射能汚染が解体作業の進展に伴って空間的・時間的に変動するという特徴がある。本研究でリスクとは、事故の発生確率と事故時公衆被ばく線量の積で表される被ばくリスクと定義し、評価手法の構築に着手した。本報告では、はじめに、廃止措置段階での解体作業の特徴を踏まえた事故時の被ばく線量評価と発生確率を評価するリスク評価の全体像を構築した。また、廃止措置及びそれに類する定期検査作業時のトラブル事象の事例を調査した結果、解体作業特有の溶断による切断作業時の火災に関連する事例が多く見られた。これらの調査結果をもとに、故障モード影響解析(FMEA)等の品質工学的手法を用いて人的過誤による起因事象を選定し、事故シーケンスごとの線量と発生確率を評価するため、それらの起因事象に対し緩和策の失敗により事象が進展するとしてイベントツリーを作成した 。