[2C06-09] TRU廃棄物

[2C08] TRU廃棄物の廃棄体パッケージの開発

(3)セメント系材料における水の存在形態が水素ガス発生に及ぼす影響

*根岸 久美¹、井田 雅也¹、長谷川 晋也¹、坂本 浩幸²、藤井 直樹²、大和田 仁² (1. 太平洋コンサルタント、2. 原環セ)

キーワード：TRU廃棄物、廃棄体パッケージ内充填材、水素ガス発生、セメントペースト、モルタル、G値、ガンマ線照射

TRU廃棄物の地層処分では、廃棄体を廃棄体パッケージ容器に収納し、廃棄体が移動しないようセメント系材料等を用いて廃棄体パッケージ内を充填することが検討されている。セメント系材料に含有される水分は、廃棄体からの放射線により分解し、発生する水素ガスの影響が懸念される。本検討では、セメント系材料中に存在する水の状態（自由水および結合水）が水素ガス発生へ及ぼす影響を把握することを目的に試験を実施した。試験では、水セメント比の調製や養生後の乾燥処理により含有する水分量を変化させたセメントペーストおよびモルタルを作製し、⁶⁰Coによるγ線を照射して水素ガス発生量を測定した。その結果、水素ガス発生量は、セメント系材料中の自由水量との相関が認められ、自由水からの水素ガス発生の寄与が大きいことが確認された。また、セメントペーストとモルタルの水素ガス発生量は概ね同様の傾向を示した。