2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[1]-[7]

2020年11月7日(土) 09:20 〜 12:00 第I会場

司会:清水 裕子(畿央大学)、籔谷 祐介(富山大学)

11:40 〜 12:00

[7] 業務市街地の屋外環境における歩行が精神的疲労の低減に与える影響に関する基礎研究

―東京都心部における再開発によって整備された公開空地等の分析を通して

○中岡 暖1、後藤 春彦2、山村 崇3 (1. 早稲田大学大学院創造理工学研究科、2. 早稲田大学理工学術院、3. 早稲田大学高等研究所)

キーワード:精神的疲労、業務市街地、歩行、オープンスペース

昨今、就業者の精神的疲労は深刻な問題であり、その疲労の蓄積が健康を損なうことが懸念される。就業者の健康と生産性を下支えする労働環境への関心の高まりから、オフィス内部空間の環境改善を中心として研究が進められているが、外部環境のありかたについての議論は不十分である。本研究では、業務市街地のオープンスペースに着目し、利用者の精神的疲労度に与える影響を明らかにすることに加え、精神的疲労を低減させる歩行空間の環境特性を記述することを目的とした。その結果、オフィス足元のオープンスペースが一般的な業務市街地とは異なり、精神的疲労を低減させることが明らかになった。また、被験者が知覚した空間構成要素に対する評価理由から、歩行空間の一体的な整備が高い評価を得ていること、またベンチやその利用者の様子を知覚することで、自らの利用シーンを想像し、歩行空間への評価を高めていることも伺えた。