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[32] 大都市圏郊外住宅地に立地する親世帯住宅の近居子世帯による継承に影響する要因
キーワード:近居、住宅継承、郊外住宅地、親子間交流
本研究は大都市圏に位置する高齢化の進行した郊外住宅地を対象に、親子世帯の近居が親世帯住宅の継承意向に及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。地区内または周辺地域で近居の関係にある子世帯向けアンケート調査により、以下が明らかになった。 近居開始後の交流の実態に関しては、親の様子見、親による子育て支援を目的とする交流が多いことが確認できた。そして親世帯住宅の継承に関しては、近居開始理由や交流実態の特徴に基づく子世帯類型による違いは確認できなかった。親子間の交流機会の増加を目的とした近居であっても、それが親世帯住宅の継承意向増進には強く影響していないことが今回の結果から明らかになった ロジスティック回帰分析を用いた親世帯住宅の継承意思の発現に影響する要素およびその程度の定量的把握からは、経済的負担を抑えて住宅取得できることと、医療施設の利便性が影響要因として特定できた。さらに子世帯が「既に持家を取得していること」は先行研究では継承の阻害要因とされるが、医療施設や教育施設の利便性、住宅のバリアフリー性能の方がより影響度が強いことも明らかとなった。