[PH046] 子どもの手本としての大人の機能の変化4
2013年時点における保護者と保育者の言動および手本になることに関する認識の比較
キーワード:手本, 保護者, 保育者
目 的
本稿では,保護者と保育者との間で,子どもの手本になっていない言動をする割合および手本となることについての認識に違いがみられるのかどうかを明らかにしたいと考えた。
方 法
保護者に対する調査:手続きおよび調査対象者は「子どもの手本としての大人の機能の変化1(2013年に調査したもの)」と同じである。
保育者に対する調査:手続きおよび調査対象者は「子どもの手本としての大人の機能の変化3(2013年に調査したもの)」と同じである。
結 果
子どもの手本になっていない言動の有無を保護者および保育者に尋ねた結果(表1),「後片付けをしない」,「整理整頓ができていない」,「けんかをする」において,保護者の方が保育者よりも有意に割合が高かった。一方,「横断歩道のないところを渡る」,「規則正しい生活をしない」,「うそをつく」,「ひとの悪口を言う」,「赤信号で道路を横断する」,「机や棚の上に乗る」においては,保育者の方が有意に高かった。
子どもの手本になることに関する認識を尋ねたところ(表2),保育者は保護者よりも「子どもの手本とは,子どもに言い訳をせず,改善の努力をみせていくことである」「大人は言行不一致にならないように,常に意識して行動すべきである」と考えている者が有意に多かった。保育者は子どもの手本にならなくてはならない機会が多いため,その意識が強いと思われる。その一方で,「大人も人間であるから,必ずしもすべての行動が手本になるとは限らない」と考えている保育者は保護者よりも多かった。これは保育者の方が保護者よりも子どもの手本になっていない言動を多くしていることが影響していると思われる。つまり,実際には手本になる言動をとっていないが,「手本にならなくてはならない」という意識は強くあることがうかがわれた。
本稿では,保護者と保育者との間で,子どもの手本になっていない言動をする割合および手本となることについての認識に違いがみられるのかどうかを明らかにしたいと考えた。
方 法
保護者に対する調査:手続きおよび調査対象者は「子どもの手本としての大人の機能の変化1(2013年に調査したもの)」と同じである。
保育者に対する調査:手続きおよび調査対象者は「子どもの手本としての大人の機能の変化3(2013年に調査したもの)」と同じである。
結 果
子どもの手本になっていない言動の有無を保護者および保育者に尋ねた結果(表1),「後片付けをしない」,「整理整頓ができていない」,「けんかをする」において,保護者の方が保育者よりも有意に割合が高かった。一方,「横断歩道のないところを渡る」,「規則正しい生活をしない」,「うそをつく」,「ひとの悪口を言う」,「赤信号で道路を横断する」,「机や棚の上に乗る」においては,保育者の方が有意に高かった。
子どもの手本になることに関する認識を尋ねたところ(表2),保育者は保護者よりも「子どもの手本とは,子どもに言い訳をせず,改善の努力をみせていくことである」「大人は言行不一致にならないように,常に意識して行動すべきである」と考えている者が有意に多かった。保育者は子どもの手本にならなくてはならない機会が多いため,その意識が強いと思われる。その一方で,「大人も人間であるから,必ずしもすべての行動が手本になるとは限らない」と考えている保育者は保護者よりも多かった。これは保育者の方が保護者よりも子どもの手本になっていない言動を多くしていることが影響していると思われる。つまり,実際には手本になる言動をとっていないが,「手本にならなくてはならない」という意識は強くあることがうかがわれた。