[PA38] 嫌いな食べ物を克服する授業実践研究
キーワード:食育, 嫌いな食べ物, 調理実習
問題と目的
高校生の時期は第2次成長期と言われ,食物摂取状態は日々の健康の維持のためと,身体的,精神的,社会的,生活的な自立の時期にあたり成長である人間づくりのために重要である。2000年に公表された「食生活指針」は当時の文部省(現文部科学省),厚生省(現厚生労働省),農林水産省の3省が合同で国民の健康の維持増進に向けて遵守するべき10項目を明確にした。その後2016年に改訂版を発信している。食育基本法が2005年7月に「国民が生涯にわたって健全な心身を培い,豊かな人間性をはぐくむ食育を総合的かつ計画的に推進する」目的で公布され,食生活の重要性が確固たるものとなっている。
食べ物の好き嫌いの研究は過去に多くの研究がある。小林,古賀(2009)は幼児に嫌われることが多い食材であるトマトを題材にして,手遊び,紙芝居,パネルポスターなどでトマトに親近感を持たせることで嫌いという意識を改善する取り組みを行った。「トマトくん」という絵本でトマトが食べられるようになる主人公に幼児が自分を重ね合わせられる工夫である。村上,上島(2006)は小学生,中学生を対象に25品目について,三角食べ,口中調味を推進する食経験を増やして嫌いな食べ物をなくすとしている。厚生労働省の「健康日本21」では国民の栄養状態をよくするために栄養的な知識と食生活への態度による適正な栄養素摂取の行動変容へと導くことが重点である。「適正な栄養素の摂取,適正な栄養素摂取にむけた行動変容の推進,個人の行動変容を支援するための環境づくり」が重要であるとしている。
食べ物の好き嫌いに関する研究は高校生段階での研究はあまり見られない。そこで本研究の目的は高校生を対象にした調査を行い,食べ物の好き嫌いの実態を明らかにすることである。その後は嫌いな食べ物を克服する取組を行い、どのくらい改善できるかを明確にする。
方 法
調査の目的 高校生期の嫌いな食べ物について,実態を把握するために調査を行った。
実施時期と対象 調査は2017年11月中旬~下旬に東京都立A高等学校2年生200名に行った。
質問紙の内容 嫌いな食べ物があるか否か,嫌いな理由は何か,嫌いな食べ物があると問題があるか,問題があるとすればそれは何か等について,選択肢形式の質問紙による調査を行った。
結果と考察
嫌いな食べ物調査の結果,嫌いな食べ物として挙げられたのは,67品であった。香川芳子案「4つの食品群別摂取量のめやす」で分類すると,第1群は牛乳,チーズ,卵の3品,第2群の魚介類は13品,肉類は3品,豆・豆製品は2品,第3群のきのこを含む野菜は32品,いも類は2品,果物は7品、第4群の穀類は2品,油は3品である。野菜が多く嫌われていた。結果の分析は,嫌いの人数が多かったニンジン,ピーマン,シイタケ,トマト,セロリについてカイ二乗検定を行った。ニンジン,ピーマン,シイタケ,トマトでは有意差はなかった(χ2(1)=2.71,2.66,2.66,2.77)。セロリは有意差があった(χ2(1)=6.61)。
高校生の時期は第2次成長期と言われ,食物摂取状態は日々の健康の維持のためと,身体的,精神的,社会的,生活的な自立の時期にあたり成長である人間づくりのために重要である。2000年に公表された「食生活指針」は当時の文部省(現文部科学省),厚生省(現厚生労働省),農林水産省の3省が合同で国民の健康の維持増進に向けて遵守するべき10項目を明確にした。その後2016年に改訂版を発信している。食育基本法が2005年7月に「国民が生涯にわたって健全な心身を培い,豊かな人間性をはぐくむ食育を総合的かつ計画的に推進する」目的で公布され,食生活の重要性が確固たるものとなっている。
食べ物の好き嫌いの研究は過去に多くの研究がある。小林,古賀(2009)は幼児に嫌われることが多い食材であるトマトを題材にして,手遊び,紙芝居,パネルポスターなどでトマトに親近感を持たせることで嫌いという意識を改善する取り組みを行った。「トマトくん」という絵本でトマトが食べられるようになる主人公に幼児が自分を重ね合わせられる工夫である。村上,上島(2006)は小学生,中学生を対象に25品目について,三角食べ,口中調味を推進する食経験を増やして嫌いな食べ物をなくすとしている。厚生労働省の「健康日本21」では国民の栄養状態をよくするために栄養的な知識と食生活への態度による適正な栄養素摂取の行動変容へと導くことが重点である。「適正な栄養素の摂取,適正な栄養素摂取にむけた行動変容の推進,個人の行動変容を支援するための環境づくり」が重要であるとしている。
食べ物の好き嫌いに関する研究は高校生段階での研究はあまり見られない。そこで本研究の目的は高校生を対象にした調査を行い,食べ物の好き嫌いの実態を明らかにすることである。その後は嫌いな食べ物を克服する取組を行い、どのくらい改善できるかを明確にする。
方 法
調査の目的 高校生期の嫌いな食べ物について,実態を把握するために調査を行った。
実施時期と対象 調査は2017年11月中旬~下旬に東京都立A高等学校2年生200名に行った。
質問紙の内容 嫌いな食べ物があるか否か,嫌いな理由は何か,嫌いな食べ物があると問題があるか,問題があるとすればそれは何か等について,選択肢形式の質問紙による調査を行った。
結果と考察
嫌いな食べ物調査の結果,嫌いな食べ物として挙げられたのは,67品であった。香川芳子案「4つの食品群別摂取量のめやす」で分類すると,第1群は牛乳,チーズ,卵の3品,第2群の魚介類は13品,肉類は3品,豆・豆製品は2品,第3群のきのこを含む野菜は32品,いも類は2品,果物は7品、第4群の穀類は2品,油は3品である。野菜が多く嫌われていた。結果の分析は,嫌いの人数が多かったニンジン,ピーマン,シイタケ,トマト,セロリについてカイ二乗検定を行った。ニンジン,ピーマン,シイタケ,トマトでは有意差はなかった(χ2(1)=2.71,2.66,2.66,2.77)。セロリは有意差があった(χ2(1)=6.61)。