[PD11] 子ども同士のいざこざへの介入についての一考察
ベテラン保育者と新人保育者の言葉かけの違い
キーワード:保育者, 言葉かけ, 発話スキル
問題と目的
筆者らはこれまで子どもの行動を引き出す保育士の言葉かけに注目し,行動の目標によって保育者が言葉かけの表現を変えること(佐々木・栗原2016),提案・勧誘・確認・指示などの手法を駆使して子どもの主体性を育んでいること(佐々木・栗原2017)を見出してきた。
本報告では子ども同士のいざこざ場面での言葉がけを取り上げる。子ども同士のいざこざへの介入にはベテラン保育者と新人保育者ではかける言葉が異なるのではないかと感じている。いざこざ場面は自己主張が拮抗する人間関係上重要な場面であり,この場面の言葉かけがベテラン保育者と新人ではどのように異なるのか比較することから,ベテラン保育者の発話スキルを明らかにする。
方 法
観察日:2015年2月16日午前9時~12時
記録方法:ビデオによる音声と映像の記録採取
分析の方法:ベテランと新人の音声と映像から逐語録を作成し,発話を切片化し分析した。
結果と考察
新人保育者の傾向と対比させて,ベテラン保育者の傾向を分析したところ,下表の左の列に記したベテラン保育者が持っている発話スキルが明らかになった。
結 語
ベテラン保育者の発話スキルには,短く的確な発話で,中立的な参加者の役割を果たすなど,新人保育者とは異なる発話スキルが明らかになった。特に子ども同士を繋ぐ役目を果たす,いざこざ場面では原因のみならずそこに至った経緯や子ども理解,発達理解等いざこざの背景までも射程に入れていた。また間合いが随時取られており,子ども自身に考えさせる為の設定が用意されていた。この間合いは思考力を育む機会になると考えられる。
筆者らはこれまで子どもの行動を引き出す保育士の言葉かけに注目し,行動の目標によって保育者が言葉かけの表現を変えること(佐々木・栗原2016),提案・勧誘・確認・指示などの手法を駆使して子どもの主体性を育んでいること(佐々木・栗原2017)を見出してきた。
本報告では子ども同士のいざこざ場面での言葉がけを取り上げる。子ども同士のいざこざへの介入にはベテラン保育者と新人保育者ではかける言葉が異なるのではないかと感じている。いざこざ場面は自己主張が拮抗する人間関係上重要な場面であり,この場面の言葉かけがベテラン保育者と新人ではどのように異なるのか比較することから,ベテラン保育者の発話スキルを明らかにする。
方 法
観察日:2015年2月16日午前9時~12時
記録方法:ビデオによる音声と映像の記録採取
分析の方法:ベテランと新人の音声と映像から逐語録を作成し,発話を切片化し分析した。
結果と考察
新人保育者の傾向と対比させて,ベテラン保育者の傾向を分析したところ,下表の左の列に記したベテラン保育者が持っている発話スキルが明らかになった。
結 語
ベテラン保育者の発話スキルには,短く的確な発話で,中立的な参加者の役割を果たすなど,新人保育者とは異なる発話スキルが明らかになった。特に子ども同士を繋ぐ役目を果たす,いざこざ場面では原因のみならずそこに至った経緯や子ども理解,発達理解等いざこざの背景までも射程に入れていた。また間合いが随時取られており,子ども自身に考えさせる為の設定が用意されていた。この間合いは思考力を育む機会になると考えられる。