第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

一般演題

[O5] COVID-19

2022年6月11日(土) 14:20 〜 15:20 第7会場 (総合展示場 314-315会議室)

座長:佐藤 みえ(東邦大学医療センター大森病院)

14:44 〜 14:56

[O5-03] 重症COVID-19対応のためにICUに配置転換になった看護師への支援の検証

○並木 友里絵1、山根 正寛1、柴田 直樹1、佐野 由花1、岩本 好加1、洪 淑姫1、細川 雄生1、大道 知子1、堀井 昭子1 (1. 大阪市立総合医療センター)

キーワード:COVID-19、人材育成、配置転換

【目的】重症COVID-19感染者受け入れのために配置転換になった看護師への支援に対し受け入れ側の対応を検証する。【方法】対象:2020年4月から2021年3月にICUに配置転換した看護師45名 調査方法:対象者を配属時期毎に4つのグループに分け無記名の質問紙調査の実施。配属期間1~3ヵ月のグループをA、4~6か月のグループをB、7~9か月のグループをC、10~12ヵ月のグループをDとした。質問紙調査はJackGibb氏が提唱した「受容」「データの流動的表出」「目標形成」「社会的統制」の4つに分類しそれぞれのチーム内の懸念を測定するためのツールであるチーム成長のインベントリーを使用。分析方法:チーム成長のインベントリー尺度を使用し各グループの平均値を算出し単純集計を行った。チーム成長のインベントリー尺度は、1~7点で構成され点数が低いと懸念が軽減、点数が高いと懸念が増加していることを示す。本研究は所属施設の臨床研究倫理委員会の承認を得た。
【結果】アンケート回収率は93%。A:18名、B:7名、C:7名、D:10名だった。相互信頼に関する「受容」は、C・Dの平均値がA・Bより低かった。スタッフが行動を選択し意思決定するときに現れるコミュニケーションに関する「データの流出的表出」は、Bの平均値が最も高かった。チームの目標と生産性に関する「目標形成」は、全てのグループの平均値が3台であった。チームのなかで相互にどのように影響を与えているかに関する「社会的統制」は、C・Dの平均値が3.9台であった。【考察】Bの「受容」と「データの流出的表出」の平均点が高い要因は、A病院では異動者は配属され約2ヶ月以降に独り立ちする。サポートが減少し、コミュニケーションの不足が生じ、相互信頼の懸念の増加につながったと考えられる。「目標形成」は、全てのグループの平均値が3台のため、チェックリストやマニュアル等の活用が目標形成に貢献したと思われる。「受容」と「社会的統制」は、時間経過とともに人材育成やスタッフとのコミュニケーションが促進され相互信頼が生まれたことでC・Dの平均点が低下し配置転換となった看護師の適応を促進させた可能性がある。【結論】チェックリスト、マニュアル整備と活用が目標形成に有効である。独立後に受容とデータの流動的表出の懸念が増す時期があるため継続的な支援が必要である。
O5-03