第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

ポスター

04-2:キャリア

一般演題(ポスター)キャリア・倫理的課題・その他

2024年7月21日(日) 10:10 〜 10:40 ポスター会場1 (コンベンションホールA)

座長:伊藤 真美(医療法人社団 花の谷クリニック)

10:20 〜 10:25

[P-2-10] 地域支援・在宅医療に携わる対人援助職の心理的問題をどう援助するのか
~ミイラ取りがミイラにならないために~

*小早川 留衣1、中越 久代1、木橋 香苗1、杉山 唯1、德本 雅代1、伊藤 万桜1、山縣 悠子1、北野 昌江1、北野 由香梨1、米原 由紀1、瀧野 麻衣1、久保 菜々美1、平塚 めぐみ1、大﨑 崇正1、原田 敬大1、内藤 伸昭1、小早川 節1 (1. 波乗りクリニック)

【はじめに】わが国では高齢社会を見据えて1980年代に訪問診療の概念が導入され、在宅療養の推進に向けた動きが活発化、質の高い在宅医療の確保が求められるようになった。在宅医療の普及が推進される中、訪問診療料件数の推移は大幅に増加、訪問看護ステーションの利用者も介護保険・医療保険ともに増加傾向にある。このような状況下で、対人援助職は限られた資源の中で効率的に医療・介護を提供することが求められている。前年の本学会大会のワークショップ<どうしていますか?心のケア>では、多くの対人援助職が強い使命感と責任感から生まれる悩み、患者・家族とのトラブル経験や身の危険を感じる経験からストレスを抱え、常に高い緊張感の中、従事していることが分かった。その中で、こころの専門家の対応が求められているにも関わらず、実際は介入がなされていないことも分かった。【活動】在宅医療や地域支援に携わる対人援助職の心理的負担と心のケアについて、アンケート調査を実施、多職種の対人援助職73名から回答を得た。、仕事上でのトラブル体験や死別体験によりどのような心身の反応が出たのか、乗り越えた方法等を知ることができた。74%の対人援助職が現場でこころの専門家の介入・連携を必要としている一方で、自分自身のことで介入して欲しいと答えた割合は30%に留まった。同業種または多職種で相談・語り合える場があれば参加したいと思っている割合は67.1%にのぼったが、カウンセリングを受けたいかどうかについては15.1%が希望している中、49.3%が分からないと回答した。【考察】1988年に誕生した公的資格である臨床心理士、2017年に誕生した日本初の心理に関する国家資格である公認心理師が、来談を待つだけではなく、対人援助職のメンタルヘルスや医療・支援を必要としている人の心の担い手になるために、どのように活動していくかが今後の課題といえる。