一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

ポスター

R1:鉱物記載・分析評価(宝石学会(日本) との共通 セッション)

2022年9月18日(日) 09:00 〜 17:00 B256 (総合教育研究棟 B棟2F)

09:00 〜 17:00

[R1P-03] ファイアンスビーズの再現実験

*白勢 洋平1、奥村 大祐1 (1. 愛媛大・理)

キーワード:ファイアンス、ビーズ、石英、炭酸カリウム

天然の石英,孔雀石,方解石に加え,炭酸カリウムを出発物質に用いて,青色のファイアンスビーズの再現実験を試みた。850℃の加熱実験で得られた生成物は,青色透明でガラス光沢を持ち,内部に小空隙を多く含んでいた。XRD実験の結果,生成物は石英に加え,微量の珪灰石,黒銅鉱,ポートランド石を含み,炭酸カリウムを多く加えたものでは,石英の回折強度が著しく低くなり非晶質物質によるものと考えられるブロードなバックグラウンドが確認できた。また,孔雀石を多く加えたものでは,含有される黒銅鉱が多くなり,見た目が黒色となった。生成したビーズの組織は粒径30-50 μmの石英粒子の集合からなり,粒間をK1.1Ca0.74Cu0.45Si4.13O10の化学組成となる珪酸塩が埋めている。また,30-100 μm程度の空隙が均質に分布する。黒銅鉱は100 μmの粗粒な粒子として微量含まれていた。