一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

口頭講演

S1/R6 合同セッション:火成作用の物質科学/深成岩・火山岩・サブダクション ファクトリー

2022年9月18日(日) 09:00 〜 12:15 B351 (総合教育研究棟 B棟3F)

座長: 亀井 淳志(島根大学)、川本 竜彦(静岡大学)、浜田 盛久(海洋研究開発機構)、伴 雅雄(山形大学)

11:45 〜 12:00

[S1R6-11] 西南日本愛媛県梶島に分布する珪長質岩の鉱物・全岩化学組成

「発表賞エントリー」

*下岡 和也1、小北 康弘2、齊藤 哲1 (1. 愛媛大学、2. 原子力機構)

キーワード:白亜紀珪長質岩、梶島、西南日本、鉱物・全岩化学組成

本研究において、愛媛県北東部、四阪島梶島の珪長質岩から新たにポイキリティック組織を見出した。本発表では、ポイキリティック組織を構成する鉱物について化学組成を明らかにするとともに、珪長質岩について全岩化学組成分析を行い、梶島の珪長質岩の形成過程について議論した。 ポイキリティック組織には不定形のコアを示す石英や斜長石が包有される。鉱物組成の不連続、花崗岩質岩の相図上での温度条件推定によると(Whitney 1975)、ポイキリティック組織部の形成は結晶分化作用のみでは説明できない。一方で、鉱物中の不定形のコアや鉱物組成の不連続は組織の形成プロセスに部分溶融の存在を示唆し、花崗閃緑岩質岩の相図上での温度条件推定もこれを支持する(Whitney 1975)。このことから、梶島に分布する珪長質岩は花崗閃緑岩質岩の部分溶融によって生じたことが示唆される。