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[S2-08] 鉱物溶解に及ぼす天然キレート剤の促進効果に関する基礎的実験
「発表賞エントリー」
キーワード:キレート剤、鉱物溶解、植物代謝物、ケイ酸塩鉱物
CO2増加による悪影響が懸念されており、その対策としてケイ酸塩鉱物の溶解とそれに続くCO2の鉱物化を行うCCUSが有望視されている。しかし、自然界ではケイ酸塩鉱物の溶解速度は非常に遅い。そこで、キレート剤を用いることでケイ酸塩鉱物の溶解速度を促進することが報告されている。本研究では、より環境にやさしいCO2貯留システムの開発のため、天然由来のキレート剤となる植物代謝物によるケイ酸塩鉱物の基礎溶解実験を行った。実験で用いた植物代謝物の1つであるフミン酸においては、かんらん石からSi、Ca、Al、Naの抽出が純水に比べて促進された。また、pHにおいても植物代謝物を含んだ溶液はすべてケイ酸塩の溶解により部分的に上昇した。本研究の成果は、植物代謝物を含む天然水系にケイ酸塩鉱物の溶解で用いることで、pH上昇とCO2の鉱物化による海洋酸性化の抑制とCO2の隔離が期待できるだろう。