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[S2-09] 高圧CO2条件下における炭酸マグネシウム鉱物の形成
キーワード:CO2地中貯留、ハイドロマグネサイト、マグネサイト、ネスケホナイト、超臨界CO2
苦鉄質岩や超苦鉄質岩へのCO2地中貯留におけるマグネシウム炭酸塩の生成相を理解するために,本研究では水酸化マグネシウムを出発物質として,高圧CO2条件下での反応実験を行った。水酸化マグネシウム粉末3 gに超純水30 mLを加えた高圧容器に超臨界CO2を10 MPaで充填した。温度は40, 60, 80℃とし,3日後に固液分離を行って固体試料を得た。すべての条件において,水酸化マグネシウムすべての溶解と,マグネシウム炭酸塩鉱物の形成を確認した。その鉱物種は,40℃ではNesquehonite,60℃ではNesquehoniteとMagnesite,80℃ではHydromagnesiteとMagnesiteと同定された。これは,先行研究において,塩化マグネシウム水溶液と炭酸ナトリウム水溶液からマグネシウム炭酸塩鉱物を合成した結果とは異なり,マグネシウム炭酸塩の鉱物種を決定する要因として,温度以外にもCO2分圧など別のパラメータも関与している可能性が考えられる。今後は,含水炭酸マグネシウム鉱物の相変化挙動についても深く議論していき,それとCO2分圧との関係性を明らかにしていく必要がある。