第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:モリタ優秀発表賞 ポスター発表

モリタ優秀発表賞ポスター発表

2023年9月16日(土) 13:20 〜 19:00 ポスター会場 (131講義室(本館3F))

[P1-3-16] 巨大細胞網様核刺激による嚥下反射の変調

〇村川 亞里紗1、佐藤 義英1 (1. 日歯大新潟 生理)

キーワード:嚥下反射、巨大細胞網様核、上喉頭神経

【目的】我々は、脚橋被蓋核により嚥下反射が減弱することを報告した。脚橋被蓋核は巨大細胞網様核に投射し、巨大細胞網様核は嚥下の中枢性パターン発生器の一部である孤束核に投射していることが明らかにされている。以上のことから、巨大細胞網様核は嚥下の制御に関与していると考えられる。本研究では巨大細胞網様核の電気刺激と化学刺激により、嚥下反射が変調されるか検索した。【方法】ウレタン麻酔下のラットを使用した。上喉頭神経の連続電気刺激(持続時間0.2 ミリ秒、刺激頻度30Hz、刺激時間10秒)により嚥下反射を誘発し、左側顎舌骨筋から筋電図を記録した。巨大細胞網様核の電気刺激実験では、最初に上喉頭神経単独刺激を行った。次に上喉頭神経と巨大細胞網様核を同時に電気刺激した。そして、再び上喉頭神経単独刺激を行った。巨大細胞網様核の化学刺激では、巨大細胞網様核にグルタミン酸を微量注入した(0.1mM、0.1µl、90秒)。注入前後に上喉頭神経を刺激し嚥下反射の経時的変化を記録した。各測定後、脳切片を作製し刺激部位を同定した。【結果】上喉頭神経と巨大細胞網様核の同時電気刺激は、上喉頭神経単独刺激と比べ嚥下回数は増減し、嚥下回数減少時は嚥下開始時間が延長した。巨大細胞網様核へのグルタミン酸注入後、嚥下回数は増減し、嚥下回数減少時は嚥下開始時間の延長を認めた。【考察】巨大細胞網様核は嚥下反射の制御に関与していることが示唆された。【利益相反】開示すべき利益相反はありません。