一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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健康管理,疾病予防3(OP-0311~0315)

棟方百熊(岡山大学)

[OP-0314] 小学校中学年・高学年の児童を対象にしたストレッチ体操の効果と課題

大高麻衣子1, 平元泉1, 齋藤雅世1, 伊藤由紀子2 (1.秋田大学大学院 医学系研究科 保健学専攻, 2.秋田県由利本荘市立小友小学校)

【目的】
小学校中・高学年の子どもを対象に,継続して運動習慣を身に付け,かつ柔軟性の低下を予防できる体操を考案し,その効果と課題について検討した.
【方法】
体操は上下肢の関節運動,協調運動を取り入れたダイナミック・ストレッチとし,3分の動画に音楽を挿入した.小学3~6年生の児童57名を対象に,週2~3回程度,体操を実施した.属性(学年,性別),運動習慣,身長,体重,活動量,METS(Metabolic equivalents),柔軟性(前屈,しゃがみ込み)について,ストレッチ体操開始前,3,6,9,12か月後に縦断的調査を行った.また,実施後の感想を記載してもらった.秋田大学大学院医学系研究科倫理委員会の審査を受け承認を得た.
【結果】
肥満(BMI25以上)の割合は3.5~7.0%で体操実施中に有意な増加はみられなかった(P=0.9509).体操のMETSは速歩き~ランニング相当であり,3か月後が8.0と最も高く,「運動が得意な人には簡単だった」との感想がみられた.柔軟性は体操実施中に有意な低下はみられなかった(前屈:P=0.8940,しゃがみ込み:P=0.7173).
【考察】
3分間の体操を継続することで,活動量を維持しながら,肥満や柔軟性の低下を予防できており,効果的であると考える.METSは3か月後が最も高く,同じ体操ではモチベーションを維持しにくい状況がみられた.体操の内容にバリエーションを持たせるなど,さらなる工夫が必要である.