一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-1~O-6 健康管理、ヘルスプロモーション

座長:黒川 修行(宮城教育大学)

[O-3] 中学生における朝型・夜型生活リズムの変化が疲労自覚症状に及ぼす影響

早川 博子1, 宮井 信行1, 野上 絵理子1,2, 辻 久美子1,2, 木下 あずな1, 内海 みよ子2, 有田 幹雄3 (1.和歌山県立医科大学 保健看護学部, 2.東京医療保健大学 和歌山看護学部, 3.角谷リハビリテーション病院)

キーワード:中学生、朝型・夜型生活リズム、疲労自覚症状

【目的】中学生を対象に朝型・夜型の生活リズムの変化が疲労自覚症状に及ぼす影響を縦断的な観察に基づいて検討した.【方法】対象者は,A県内の某中学校に在籍した生徒のうち,1~3年生まで継続して健康調査に参加した181名(男子91名,女子90名)であった.朝型・夜型生活リズムは,朝型・夜型質問紙(MEQ)で評価し,合計点をもとに夜型,中間型,朝型を判定した.疲労自覚症状は,身体症状(10項目)と精神症状(5項目)を4件法で尋ねて合計点を算出した.【結果】対象者の追跡開始時(1年生)と終了時(3年生)における生活リズムは,朝型:37.0%→18.2%、中間型:49.7→57.5%、夜型:13.3%→24.3%となり,学年進行に伴って夜型が増加する傾向にあった。開始時に朝型か中間型であった者(n=157)のうち,終了時に夜型に移行した者(n=31)と移行しなかった者で疲労自覚症状の得点を比較すると,開始時に明確な差を認めなかったが(身体:17.4点 vs. 16.5点 p=0.466,精神:7.1点 vs.7.4点 p=0.649),終了時では夜型に移行した者が有意に高値を示した(身体:18.7点 vs. 16.4点 p=0.034,精神:8.5点 vs. 7.2点 p=0.038).また,夜型への変化は性別と開始時の得点を含む共変量の補正後も終了時の疲労自覚症状の得点の有意な規定因子であった.【結論】生活の夜型化に伴う就寝時刻の遅延や睡眠時間の短縮が睡眠の質を低下させ,頭重感,倦怠感,イライラ,集中力低下などの様々な疲労自覚症状の増加を招くことが示唆された.