一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-56~O-61 発育・発達、体力・体格

座長:上地 勝(茨城大学)

[O-56] 大学卒業後の体格変化と卒業後の疾患との関係:J-Fit+ Study

許 東海1, 慎 少帥2,3, 染谷 由希3, 河村 剛光3, 鈴木 宏哉3 (1.順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科, 2.愛知県立大学教育福祉学部, 3.順天堂大学スポーツ健康科学部)

キーワード:BMI、有病率、コーホート研究

【目的】本研究では、大学卒業後のBMI変化と卒業後の疾患との関係を明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は順天堂大学体格体力累加測定研究への参加に同意した体育学部とスポーツ健康科学部の同窓生、男性1259名(48.70±12.67歳)、女性319名(33.19±7.26歳)であった。郵送法により、対象者の現在(2018年調査時)の身長、体重、年齢、そして既往歴を調査した。J-Fit+ では大学在学中に体格と体力の測定を実施しており、本研究では4年間(毎年1回測定)の身長と体重から算出したBMI(kg/m2)の記録を使用し、4年間の平均BMIを算出した。大学在学中のBMIと調査時のBMIをもとに、卒業後にBMIが増加した者と減少した者の2群に分けた。BMI変化と卒業後の疾患の有無との関係を検討するためにフィッシャー正確確率検定を用いた。分析した疾患は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、癌、高尿酸血症、肝臓疾患、腎臓疾患、心血管疾患、脳血管疾患、呼吸機能障害、関節疾患であった。【結果】対象者のBMIは大学在学中では男性22.34±2.14、女性21.46±1.95、調査時では男性23.94±2.85、女性21.09±2.45であり、男女とも有意差が認められた(p<0.05)。卒後に何らかの疾患を発症した男性は、BMI増加群において有意に高い割合を示した(p<0.05)。高血圧、脂質異常症、肝臓疾患についても同様であった。女性では有意な関係は確認できなかった。【結論】男性において、大学卒業後のBMIの増加は中高年期の疾患の有病率と関連があることが示唆された。