一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-62~O-66 食、食育

座長:甲田 勝康(関西医科大学)

[O-62] 栄養教諭と担任教諭が連携した食に関する指導に対する自信とPDCAサイクルに基づいた行動との関連

殿谷 愛乃1, 西 太郎2, 早見 直美2 (1.大阪市立大学 生活科学部 食品栄養科学科, 2.大阪公立大学大学院生活科学研究科)

キーワード:食に関する指導、栄養教諭、担任教諭

【目的】本研究は,食に関する指導の充実に向け,栄養教諭と担任教諭の食に関する指導を連携して行う自信とPDCAサイクルに基づいた行動との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】近畿圏の都道府県のうち,教育委員会の同意が得られた小中学校の栄養教諭320名,担任教諭620名を対象に,令和3年6月,12月,無記名自記式質問紙調査を実施した.解析対象は,栄養教諭168名,担任教諭209名とした.調査項目は,栄養教諭,担任教諭に対し,基本属性,食に関する指導のPDCAに関わる意識・実践・評価・改善についてたずねた.教諭種別に食に関する指導を連携して行う自信を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った.【結果】栄養教諭,担任教諭ともに,連携に対する自信は「連携相手が食に関する指導で扱う内容または学習指導要領を理解していると感じていること」と関連していた(栄養教諭:OR:3.720,1.286-10.762,担任教諭:OR:3.237,1.128-9.291).一方,栄養教諭,担任教諭ともに,自信と自分で食に関する指導を行った回数,評価との関連はなかった.【考察】食に関する指導を連携して行う自信を持つには,栄養教諭,担任教諭ともに,指導回数や評価といった自身の行動ではなく,他者からの理解の認識が重要であることが示唆された.連携における自信を高めるには,自身の努力のみでは難しいことが推測される.今後連携が進んでいる学校でのコミュニケーション方法を明らかにし,共通理解を図るための方策を検討することが重要と考える.