[O-65] 三重県内の学校給食における食物アレルギー対応に関する実態調査
キーワード:学校給食、食物アレルギー対応、卵
【目的】文部科学省から「学校給食における食物アレルギー対応指針」(以下、指針)が示され、安全性を最優先とし、「原因食物を提供するかしないかの二者択一(以下、二者択一)」が原則的な考え方となった。そこで本研究では、三重県内の小学校給食における卵を含む料理の実施状況及び卵アレルギー児への給食対応の現状を解析し、結果より見出される卵アレルギー児への給食提供における課題を明らかにすることを目的とした。【方法】三重県内の小学校に所属する栄養教諭・学校栄養職員90名を対象に所属校等の食物アレルギー対応状況等についてWebアンケートを実施した。共同調理方式と親子調理方式を除外し、調査項目に欠損のない52名を解析対象とした。併せて、三重県内の小学校で2021年10月に実施された献立表を対象に、3大アレルゲンの1つである卵を含む料理を分析した。【結果】単独調理方式(52施設)の小学校で対応している卵アレルギー児童数は189人で、全体の0.7%であった。卵アレルギー児への給食対応の実態(複数回答)は、除去食調理92.3%、代替食調理0%、代替品持参42.3%、一部弁当持参1.9%、その他7.7%であった。2021年10月の学校給食で提供された卵料理の平均提供日数は5.24/20.81日(25.2%)であった。【結論】指針が求めている二者択一の対応の現状は、卵を使用した料理を提供する一方で、9割以上の学校で除去食調理対応が行われていた。今後、卵アレルギー児への栄養面の配慮と誤配膳防止に向けた取り組みが課題となった。