一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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シンポジウム3
教科としての「保健」のさらなる改善に向けて~注目される課題と提案~

座長:野津 有司(筑波大学)、岩田 英樹(金沢大学)

[SY3-6] 保健における外部講師の有効活用の課題

棟方 百熊 (岡山大学)

キーワード:外部講師、人材の確保、体制の整備

 小学校学習指導要領(平成29 年告示)解説(体育編)では、第1章の「指導計画の作成と内容の取扱いの改善」において「地域の人的・物的資源等の活用」について示されるとともに、第3章「2 内容の取扱い」において、「必要に応じて地域の人材の活用や養護教諭,栄養教諭,学校栄養職員などとの連携・協力を推進することなど,多様な指導方法の工夫」が望まれている。中学校及び高等学校においても、ほぼ同様の内容が示されている。
また、「薬物乱用防止教育の充実について(通知)」(平成30年12月19日 文部科学省)などにおいても、外部講師の有効活用について言及されていたり、がん教育の推進に当たって「外部講師を活用したがん教育ガイドライン」(令和3年3月一部改訂 文部科学省)なども作成されている。
このように、専門性を有する外部講師を活用した教育が有意義であることは十分に期待されるが、外部講師をより有効に活用するにあたっての検討すべき課題があると思われる。
最も大きな課題の一つとして、外部講師の質と量の確保が挙げられる。つまり、地域等の実情に応じて工夫することとは言え、教育委員会、学校等と専門家の連携により、外部講師を適時に活用できる体制が整備され、継続的に運用される必要がある。また、教科としての授業においては、児童生徒の学びの姿をとらえた評価をどのように行うかも重要な課題として残されているように思われる。