国際開発学会第35回全国大会・人間の安全保障学会第14回年次大会

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ポスター発表

ポスター

2024年11月9日(土) 09:00 〜 13:00 メディアラウンジ (外濠校舎1階)(JASID) (外濠校舎1階 メディアラウンジ )

09:00 〜 13:00

[1Z119] ザンビア共和国における算数診断アセスメントの開発と評価:誤答分析を中心に

*安部 喜敬1 (1. 広島大学大学院)

キーワード:算数診断アセスメント、誤答分析、誤概念

開発途上国における教育の質的向上は重要課題であるが、アフリカ諸国では、標準化されたテストが学力の低さを示すだけで、学習改善に必要な情報を提供できていない。この問題に対応するため、ザンビアでは診断的アセスメントが研究され、課題の発見とそれに基づく介入により一定の効果が報告されている。一方で、インタビュー手法に依存し、現地教師の判断力に大きく依存しているため、実践に限界がある。また、対象が自然数に限定され、小数の理解が不十分である。本研究は、統計処理が可能な認知診断モデル(CDM)を用いて、ザンビアの小学生向け診断的アセスメントの開発とその妥当性および識別力の評価を目的としている。本発表では、認知診断モデルの活用可能性を議論する上で重要なアセスメントの妥当性と分析枠組みに資する誤答分析結果について述べる。研究課題として、開発したアセスメントがザンビアの児童に適切性を検証し、児童の誤答を分析した。古典的テスト理論とラッシュモデリングを用いた結果、内的一貫性は0.78であり、22項目中21項目が良好な識別力を示した。特に小数の割り算において、除数と被除数を逆に計算する誤答や数学記号の誤用が多く見られたが、これらは「6÷10はできない」といった誤概念に基づいていた。この結果は、ザンビアにおける教育の質的向上に貢献する可能性がある。

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