[2147] 大型震動台実験の記録に基づくスリップ性状を示す中層RC造建物における固有振動数の推移
キーワード:大型震動台実験、システム同定、部分空間同定法、固有振動数、スリップ性状
本論文では10層鉄筋コンクリート造建物を対象とした大型震動台実験の記録に基づき,構造物の応答変位と試験体の固有振動数との関係を考察した。波形を短い時間区間に区切り,実験の全期間を通じて連続的に振動特性の推移を捉えた。その結果,過去に経験した最大を応答を超えた領域に入ると試験体は非線形化が進展して固有振動数は大きく低下した。対象試験体では接合部降伏が先行し,スリップ状の履歴を呈して応答振幅が収束しながら固有振動数はさらに減少した。システム同定の手法として部分空間同定法を採用し,自動的な振動モードの抽出において基準モード形との相関係数を利用する方法を提案している。