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[SEM14-P04] 海洋MT法における電磁場データ中の高品質部の抽出方法の検討
キーワード:沈み込み帯、MT法、比抵抗
近年、観測装置の発達に伴う電磁観測の長期化や観測密度の上昇により、観測で得られるデータ数は膨大な数となっている。一般に解析データが多ければ解析誤差が安定するが、解析時間が長くなり解析のスペックが必要になるなど解析コストがかかる。また、観測データからノイズを除去する方法として、「リモートリファレンス」や「ロバストスタッキング」が挙げられる。リモートリファレンスは2地点に共通する信号を優先することで観測地点固有のノイズをはじき、ロバストスタッキングはデータの外れ値や異常値を統計的に排除する方法である。しかしながら、これらの方法のみでは完璧にノイズを除去することはできず、解析に用いるべきデータの取捨選択が必要となっている。
そこで本研究では、2020~2021年に取得された海底電磁場データを用いて、ノイズレベルの低いデータを選別し、高品質な結果を得る方法を検討した。調査海域は南海トラフ熊野灘である。フィリピン海プレートとユーラシアプレートが接する南海トラフでは、100年~200年周期で巨大地震が発生している。観測では、詳細な地震発生機構の解明を目的として、海底での電磁場変動の記録を行った。ここでは地震の発生機構のモデルの一つである「脱水脆性化説」に注目している。海洋プレートの沈み込みに伴いスラブ内の含水鉱物は脱水分解を生じ、生じた水が地震を誘発するというモデルである。
地磁気地電流法(MT法)を適用して比抵抗構造を推定することで、巨大地震の発生域の水分布を推測できる。本研究での検討の結果、良質なデータの自動的な選択が可能となり、今後の構造解析に利用可能な高品質なMT応答関数を得ることができた。
そこで本研究では、2020~2021年に取得された海底電磁場データを用いて、ノイズレベルの低いデータを選別し、高品質な結果を得る方法を検討した。調査海域は南海トラフ熊野灘である。フィリピン海プレートとユーラシアプレートが接する南海トラフでは、100年~200年周期で巨大地震が発生している。観測では、詳細な地震発生機構の解明を目的として、海底での電磁場変動の記録を行った。ここでは地震の発生機構のモデルの一つである「脱水脆性化説」に注目している。海洋プレートの沈み込みに伴いスラブ内の含水鉱物は脱水分解を生じ、生じた水が地震を誘発するというモデルである。
地磁気地電流法(MT法)を適用して比抵抗構造を推定することで、巨大地震の発生域の水分布を推測できる。本研究での検討の結果、良質なデータの自動的な選択が可能となり、今後の構造解析に利用可能な高品質なMT応答関数を得ることができた。