16:15 〜 16:30
[MTT38-04] インフラサウンド観測利用におけるMEMS大気圧センサの特性評価
キーワード:気圧センサ、大気圧計校正、温度依存性
微気圧変動を計測するインフラサウンド観測においては,数Paから数10 Pa,約20 Hz以下の周波数の微小な気圧変動を捉えるため,従来は高精度な圧力計やマイクロフォンが使用されてきた。一方,近年ではMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)技術を用いた大気圧センサの性能が向上しており,小型で安価なことから数多くのセンサを設置しやすいため,多地点観測にも用いられ始めている。しかしながら,MEMSセンサには温度依存性があることが一般的に言われており,センサが屋外に近い環境に設置される場合,温湿度変化が計測性能に与える影響が懸念される。各センサの温度係数の情報については,メーカーの仕様書に記載がない製品もあり,また記載があってもメーカーごとに記載方法が異なることや,どのような試験によって値が算出されたかについては全くわからないことで,センサ間の性能の比較が難しい。また,数Paの微小な気圧変動を検出する応答性能も重要となる。そこで,数種類のMEMS大気圧センサについて,温度,湿度に対する特性,および応答性能について一律に評価を行った。
温度特性,湿度特性については,MEMSセンサを恒温恒湿槽に入れて槽内の温度と湿度をそれぞれ変化させ,その間のセンサの出力と,槽外(室温)に設置した参照大気圧計の出力とを比較することで評価を行った。温度は湿度一定のもと,-20 ℃から50 ℃,湿度は温度一定のもと40 %から90 %まで変化させた。その結果,温度係数の絶対値は小さなものでは0.1 Pa/K,大きなものでは約7 Pa/Kと,機種によって大きく異なるという結果が得られた。また,出力が湿度の影響を受ける機種があることもわかった。さらに,よく使用されている機種については温湿度特性の個体差も調べたところ,温度特性はおおむね一致しているものの,湿度特性については多少のばらつきがみられた。
次に,センサの応答特性評価として,MEMSセンサを垂直に設置した電動アクチュエータのテーブルに固定し,テーブルを上下させることで大気圧変動を与え,応答性能を確認した。高さにして約87 mmの変化は,実験室環境においては約1 Paの圧力変化を与える。1 Hzの周波数で1 Paから10 Paの変化を与えた結果,1 Paの気圧変化も検出できるセンサがある一方で,1 Paの気圧変化が出力のノイズに埋もれて検出できないセンサや,入力に対して大きな値を出力するセンサがあることがわかった。精密な気圧の観測を行う必要がある場合には,諸特性に注意することが必要である。本発表では,評価の詳細について報告する。
温度特性,湿度特性については,MEMSセンサを恒温恒湿槽に入れて槽内の温度と湿度をそれぞれ変化させ,その間のセンサの出力と,槽外(室温)に設置した参照大気圧計の出力とを比較することで評価を行った。温度は湿度一定のもと,-20 ℃から50 ℃,湿度は温度一定のもと40 %から90 %まで変化させた。その結果,温度係数の絶対値は小さなものでは0.1 Pa/K,大きなものでは約7 Pa/Kと,機種によって大きく異なるという結果が得られた。また,出力が湿度の影響を受ける機種があることもわかった。さらに,よく使用されている機種については温湿度特性の個体差も調べたところ,温度特性はおおむね一致しているものの,湿度特性については多少のばらつきがみられた。
次に,センサの応答特性評価として,MEMSセンサを垂直に設置した電動アクチュエータのテーブルに固定し,テーブルを上下させることで大気圧変動を与え,応答性能を確認した。高さにして約87 mmの変化は,実験室環境においては約1 Paの圧力変化を与える。1 Hzの周波数で1 Paから10 Paの変化を与えた結果,1 Paの気圧変化も検出できるセンサがある一方で,1 Paの気圧変化が出力のノイズに埋もれて検出できないセンサや,入力に対して大きな値を出力するセンサがあることがわかった。精密な気圧の観測を行う必要がある場合には,諸特性に注意することが必要である。本発表では,評価の詳細について報告する。