16:30 〜 16:50
[O09-08] 石川・富山地域の海岸低地に記録されたイベント堆積物
★招待講演
キーワード:津波堆積物、海岸低地、石川・富山地域
「日本海地震・津波調査プロジ ェクト」では,2014年度に能登半島北部から富山湾沿岸地域において津波堆積物調査を行った.この調査では,海岸付近の露頭調査(低位段丘の堆積物)や海岸低地・旧潟湖においてボーリング調査を行った.この結果,津波起源である可能性の高い複数のイベント堆積物が認定できた.海岸露頭調査では,珠洲市鰐崎と能登町赤崎において,10~11世紀,9 ~10世紀や1800~2000年前を示すイベント堆積物を認定した.また,ボーリング調査では,珠洲,氷見・十二町潟,射水・旧放生津潟,射水・足洗潟,黒部・生地で行い,層相(粒度,淘汰,浸食関係の有無等)の特徴からイベント堆積物を認定しイベント年代の推定を行った.この結果,珠洲地域を含めて富山湾沿岸の各地点に共通する津波の可能性の高いイベント堆積物は,①約7,900-7,800年前,②約5,000-4,800年前,③約2,500-2,000年前,④約 800-700年前の4層準であった.これらの2014年度の成果は,能登半島周辺地域における津波履歴を示しているものである.ここでは2024年能登半島地震による津波を踏まえて,改めてこれらの津波イベントの履歴や波源について検討を行いたい.