日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[O-09] 令和6年能登半島地震の発生と被害のメカニズム

2024年5月25日(土) 15:30 〜 17:00 コンベンションホール (CH-B) (幕張メッセ国際会議場)

座長:松本 弾(産業技術総合研究所)、吾妻 崇(国立研究開発法人産業技術総合研究所)、田村 和夫野々村 敦子(香川大学)

16:30 〜 16:50

[O09-08] 石川・富山地域の海岸低地に記録されたイベント堆積物

★招待講演

*卜部 厚志1高清水 康博1、鈴木 幸治1、片岡 香子1仁科 健二2、平川 一臣3、酒井 英男4 (1.新潟大学災害・復興科学研究所、2.北海道立総合研究機構・地質研究所、3.北海道大学名誉教授、4.富山大学客員教授)

キーワード:津波堆積物、海岸低地、石川・富山地域

「日本海地震・津波調査プロジ ェクト」では,2014年度に能登半島北部から富山湾沿岸地域において津波堆積物調査を行った.この調査では,海岸付近の露頭調査(低位段丘の堆積物)や海岸低地・旧潟湖においてボーリング調査を行った.この結果,津波起源である可能性の高い複数のイベント堆積物が認定できた.海岸露頭調査では,珠洲市鰐崎と能登町赤崎において,10~11世紀,9 ~10世紀や1800~2000年前を示すイベント堆積物を認定した.また,ボーリング調査では,珠洲,氷見・十二町潟,射水・旧放生津潟,射水・足洗潟,黒部・生地で行い,層相(粒度,淘汰,浸食関係の有無等)の特徴からイベント堆積物を認定しイベント年代の推定を行った.この結果,珠洲地域を含めて富山湾沿岸の各地点に共通する津波の可能性の高いイベント堆積物は,①約7,900-7,800年前,②約5,000-4,800年前,③約2,500-2,000年前,④約 800-700年前の4層準であった.これらの2014年度の成果は,能登半島周辺地域における津波履歴を示しているものである.ここでは2024年能登半島地震による津波を踏まえて,改めてこれらの津波イベントの履歴や波源について検討を行いたい.