2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[1F4-GS-10] AI応用:化学・物理学

2024年5月28日(火) 15:00 〜 16:40 F会場 (イベントホール仮設4)

座長:宮川 大輝(日本電気株式会社)[[オンライン]]

15:40 〜 16:00

[1F4-GS-10-03] 素粒子物理学における強化学習を用いた模型探索の進展

〇西村 皐1、宮尾 光1、大塚 啓1 (1. 九州大学)

キーワード:機械学習、強化学習、素粒子物理、フレーバー物理

素粒子物理学の分野では、素粒子現象の未解決問題を説明するために様々な理論的仮説が提案されている。それらを網羅的に検証するためには、適切なパラメータを用いて計算された理論的予言を実験データと比較しなければならない。しかしパラメータの探索空間が非常に広いことから、それぞれの模型を低コストで数値解析する試みには困難が伴う。これらの状況を踏まえた本研究ではクォーク・レプトンと呼ばれる物質粒子に着目し、それらのフレーバー構造を強化学習で探索する手法に改良を加える。具体例として、ある種の理論模型を環境としたDeep Q-Networkを構成し、クォーク・レプトンに付与する整数電荷の探索問題に対してニューラルネットワークを学習させた。その結果、クォーク・レプトンの実験値および繰り込み質量を再現するパラメータ解が確かに存在することが明らかになった。一方、宇宙観測から厳しい制限が与えられているドメインウォール問題を考慮すると、適切なパラメータ解が非常に希少となることが示唆された。こうした分析に役立つことから、強化学習は現実的な素粒子模型の検証にも応用可能であると期待される。

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