2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[3T1-OS-6a] 信頼と文脈のインタラクションデザイン

2024年5月30日(木) 09:00 〜 10:40 T会場 (62研修交流室)

オーガナイザ:寺田 和憲(岐阜大学)、今井 倫太(慶應義塾大学)、山田 誠二(国立情報学研究所)

10:20 〜 10:40

[3T1-OS-6a-05] 笑顔の多義性ーポライトネス社会規範と語用論的笑顔の共進化ー

〇松田 治真1、寺田 和憲1 (1. 岐阜大学)

キーワード:笑顔、支配、エージェント

感情は他者を制御する機能を持ち,怒りは服従を,悲しみは援助を引き出す.しかし,「ポライトネス社会規範」は公共の場での怒りや悲しみの表現を抑制する一方で笑顔を強制し,その結果,笑顔が多重に意味を持つようになった.本研究では,エージェント間いじめタスクにおいて,怒りや悲しみと同等の機能を持つ,支配的笑顔や親和的笑顔の人による認識の実験結果を示し,ポライトネス社会規範と語用論的笑顔の共進化を議論する.実験参加者(n=45)は,6(加害者表情:怒り,悲しみ,報酬的笑顔,親和的笑顔,支配的笑顔,無表情)×6(被害者表情:怒り,悲しみ,報酬的笑顔,親和的笑顔,支配的笑顔,無表情)×2(役割:大エージェントが加害者-小エージェントが被害者,小エージェントが加害者-大エージェントが被害者)の参加者内計画で,対話を観察し2エージェントの相対的支配―従属関係を推測した.実験の結果,怒りと支配的笑顔が支配性を推論させることが分かった.これは,感情表現の社会規範や文脈が,その社会的機能に重要な役割を果たすことを示唆しており,ポライトネス社会規範下での笑顔の多様な意味と機能の理解を深めることに貢献している.

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