[3Xin2-91] 同時多重仮説検定における仮説群構造の利用について
キーワード:同時多重仮説検定、FDR
同時多重仮説検定(MSHT)における偽陽性率(FDR)の制御は、生物学・遺伝学・医学・心理学などで多数要因間の関係性を網羅的に検討するために使われてきた。いま、複数の研究で検定対象となった帰無仮説群とそのデータを統合して、MSHT をやり直すようなメタ解析を考える。このとき、帰無仮説群の恣意的な取捨選択が棄却/採択の結果に影響を与えてしまうが、背景知識の適切な取扱いかたに関する指針は存在しない。 本研究では、群構造を背景にもつような MSHT 課題を考え、背景知識を積極的に用いる手法を提案する。提案法は、Storey の方法を仮説群ごとに独立に適用するという単純なものである。提案法によれば、帰無仮説成立の事前確率が群ごとに定まるとき、検出力を大幅に向上させることができる。企業社員に対する心理アセスメントスコアと上司評価の相関を調べる MSHT 課題に対して提案法を適用し、安定したFDR制御を保持したまま検出力が向上できることを示す。また、一般にメタ解析上の MSHT 課題において背景知識を安全に利用する指針を議論する。
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