[4Xin2-58] フルマラソンにおける“30 kmの壁”の発生予測
レース前半の走行フォーム特徴量を用いた検討
キーワード:ランニング、不均衡データ、ペース分析、慣性センサ
フルマラソンにおいて,レース後半に意図せず生じる大幅な失速は「30 kmの壁」と呼ばれ,参加者の3割ほどが体験するにも関わらず,その詳しい機序は明らかになっておらず,レース中の対策と記録を狙うことの両立は容易ではない.本研究では,「30 ㎞の壁」の発生有無を,フルマラソン本番のレース前半における走行フォームの特徴量から予測することを試みた.接地時間やスティフネスなどの走行フォーム特徴量は,レース本番環境下でもウェアラブルデバイスにより測定しやすいことに加え,心拍などの生理学的な指標に比べて主観的な疲労度の小さな変化にも反応しやすいことが報告されており,失速の発生する予兆が現れる特徴量と考えた.用いたデータセットは,異なる複数のフルマラソンにおいて,6軸モーションセンサと地磁気センサを内蔵した小型デバイスを腰部に装着した延べ336名の計測データとした.予測モデルの構築には,説明変数としてレース前半15 kmまでの走行フォーム特徴量を,目的変数としてレース後半の大幅な失速有無を示す2値データを用いた.ロジスティック回帰の分類精度をベンチマークに,深層学習手法等を用いた場合の比較結果を紹介する.
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