[IIYS-02] 現代のホルスタイン種に最適な泌乳曲線を表すWilmink指数項の検討
【目的】泌乳曲線は分娩後の日乳量の変化を表したものであり、選抜の指標や遺伝的能力評価に利用されている。これまでに、北海道内の乳用牛について、4次のルジャンドル多項式にWilmink指数項を組み合わせたモデル(L4W)が泌乳曲線を適切に説明することが報告されている。Wilmink指数項のパラメーターは、一般に－0.05が使用されている。本研究では、年次、産次別に乳量を適切に表現できるモデルを描くためのWilmink指数項のパラメーターについて検討した。【方法】データは、家畜改良事業団が1991年から2018年に集積した全国の牛群検定記録を使用した。データ編集において、初産から5産、分娩後6日から305日までの記録を抽出した。編集後の記録は100,971,798記録であった。泌乳曲線のモデルはL4Wを使用し、Wilmink指数項におけるパラメーターについて－0.02から－0.07まで0.01間隔で設定し、二乗平均平方誤差に基づいて年次・産次ごとに泌乳曲線のあてはまりを比較した。【結果】適切なWilmink指数項パラメーターは、いずれの産次においても年次の増加にともなって－0.07から－0.03の範囲で上昇する傾向が認められた。指数項パラメーターが主に泌乳初期の乳量増加に関与することから、適切な指数項パラメーターの年次にともなう変化は、泌乳ピークの遅延に起因したと推察した。