日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理1

2021年9月15日(水) 08:40 〜 12:00 形態・生理 (オンライン)

座長:小笠原 英毅(北里大獣医)、室谷 進(農研機構畜産部門)、松崎 正敏(弘前大農学生命)、小林 謙(北大院農)、磯部 直樹(広大院生物圏)、鈴木 裕(北大院農)

[IV-15-19] マウスにおけるGFP遺伝子導入Lactococcus lactisを用いた体内局在と機能性の関係

*鹿川 紗希1、須田 義人1 (1. 宮城大院食産業)

【目的】乳酸菌の有用性は数多いが、哺乳動物の生体内における動態や共生作用に関する解明は十分ではない。本研究では,GFP遺伝子をLactococcus lactisに導入して形質転換体を作出することを試み,マウスの特に消化管と乳腺における局在を調査し、機能性との関係を検討した。【方法】L.lactis subsp. Cremoris NZ3900(MoBiTec)にエレクトロポレーション法によってGFPuvベクターを導入して形質転換体を作成した。NICEシステム(MoBiTec)を用いてGFPuvの発現を誘導した。C57/bl系統マウスの雌を計6頭供し,2群3頭ずつに分け,形質転換体区(GFP区)と対照区(PBS区)を設け無菌的に経口投与した。血液,胃,小腸,大腸,乳腺,大腸内容物をそれぞれ採取した。各組織片はPBSで軽度に洗浄後,粘膜層をUV波長で蛍光撮影した。【結果】形質転換体がL.lactis subsp. Cremoris NZ3900であり,GFPuVが発現翻訳され,球菌であることも電子顕微鏡下で確認した。経口投与後組織をLAS3000で蛍光を観察したところ,GFP区における全ての組織において特異的な蛍光シグナルが確認でき、特に乳腺組織において局在していることが確認され、腸内の乳酸菌等が移行し母乳の機能性に貢献する可能性が示唆された。但し、この移行経路は定かではなく、さらに検討中である。