日本畜産学会第129回大会

講演情報

パラレルシンポジウム

パラレルシンポジウムIII
黒毛和種の子牛飼養管理と生理・生体情報の活用

2021年9月15日(水) 16:00 〜 18:00 パラレルシンポジウム3(盧) (オンライン)

世話人・座長:盧 尚建(東北大学・大学院農学研究科)

17:20 〜 17:40

[PSY3-04] 育成牛の輸送による悪影響とその低減に関する取り組み

*武本 智嗣1 (1. JA 全農)

国内において育成牛の輸送は頻繁に発生する。特に、本州の肥育農家では、北海道や九州地方など遠隔地が育成牛の主産地となっていることから、育成牛を購入する度に長距離輸送が生じる。家畜運搬用トラックやフェリーには給餌および給水の設備がないため、育成牛は絶食および絶水の状態で輸送されることが多い。 絶食および絶水を伴う輸送は輸送中の体重減少や輸送後の体重増加抑制など育成牛に対して悪影響を引き起こす。また、育成牛において、輸送後3日間を越えても血液成分の変化が持続することが報告されており、長期間にわたって代謝障害が生じている可能性がある。長距離輸送による代謝障害の程度の軽減や回復するまでの期間の短縮、輸送中の体重減少および輸送後の体重増加抑制を低減させることは生産性向上に寄与すると考えられる。本シンポジウムでは、絶食および絶水を伴う長距離輸送の悪影響の低減に関する取り組みについて紹介する。