日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境、畜産経営

管理・環境、畜産経営

2021年9月15日(水) 09:00 〜 11:30 管理・環境、畜産経営、動物福祉 (オンライン)

座長:猫本 健司(酪農大農食環境)、多田 慎吾(農研機構)、椎葉 湧一朗(信州大学)、阪谷 美樹(農研機構)

[VI-15-04] CT画像によるホルスタイン雌牛の適正蹄背壁長の検討

*守 哲平1、大森 亮平1、佐々木 朱1、菊地 智貴1、高橋 正弘1、岡田 啓司1 (1. 岩手大農)

牛の削蹄時に目安となる蹄背壁長は世界的に7.5cmとされてきた。しかし牛の大型化に伴い、その長さが適切でなくなってきている。本研究は、現在のホルスタイン雌牛に適合する蹄背壁長の検討を目的として実施した。2020年から2021年にかけて岩手県と北海道の食肉処理場より入手したホルスタイン雌牛の死蹄111本をCT撮影し、それぞれの蹄の適正蹄背壁長(蹄冠から蹄底角質内側面の延長と蹄背壁の交点までの長さ)を計測した。このうち33本の死蹄の蹄冠幅、外蹄および内蹄蹄冠幅、外蹄および内蹄蹄冠部周囲長、球節幅および周囲長、管部幅および周囲長を計測し、適正蹄背壁長との相関が高い項目を選定した。それらを全ての蹄で計測し、適正蹄背壁長を推定する回帰式を作成した。前肢では球節周囲長および蹄冠幅と内蹄背壁長が、後肢では球節周囲長および蹄冠幅と外蹄背壁長が高い相関を示した。以上より、前後肢ともに球節周囲長と蹄冠幅を説明変数とし、前肢では内蹄背壁長を目的変数とする線形重回帰式(内蹄背壁長=蹄冠幅×0.5167+球節周囲長×0.2105-2.6407、RMSE=1.94mm)、後肢では外蹄背壁長を目的変数とする線形重回帰式(外蹄背壁長=蹄冠幅×0.0765+球節周囲長×0.1583+3.2311、RMSE=1.70mm)が得られた。以上より、蹄冠幅と球節周囲長から適正蹄背壁長を推定できることが示された。