日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境、畜産経営

管理・環境、畜産経営

2021年9月15日(水) 09:00 〜 11:30 管理・環境、畜産経営、動物福祉 (オンライン)

座長:猫本 健司(酪農大農食環境)、多田 慎吾(農研機構)、椎葉 湧一朗(信州大学)、阪谷 美樹(農研機構)

[VI-15-05] 頚部装着3軸加速度センサによるホルスタイン種経産泌乳牛の飼料変更前後の反芻行動の比較

*大森 亮平1、菊地 智貴1、佐々木 朱1、荒谷 祐介2、昆野 勝2、及川 修2、佐藤 繁1、高橋 正弘1、岡田 啓司1 (1. 岩手大農、2. 岩手農研セ畜研)

【目的】TMR中デンプン濃度を高濃度から適正濃度へ変更することが反芻行動に及ぼす影響を、頚部装着3軸加速度センサを用いて検討した。【方法】2020年1月~2021年2月に岩手県畜産研究所のホルスタイン種経産泌乳牛を用いた。TMRは1日1回10時に給餌した。飼料設計は試験期間中に4回(2020年2月、4月、9月、12月)変更され、乾物中でんぷん濃度は33%から21%に低下した。2020年1月の3日間延べ27頭と2021年1月~2月の3日間延べ31頭の加速度データを用いて、反芻行動について1日を4時間ごとに区分して日内変動を比較した。【結果】反芻時咀嚼速度は、変更前には3日とも日内変動に有意差を認めなかったが、変更後には3日とも0-4時と4-8時が12-16時と16-20時よりも有意な低値を示した(p<0.05)。反芻時間は、変更前には日内変動に3日間で共通の日内変動を認めなかったが、変更後には3日とも8-12時が4-8時・20-24時より有意な低値を示し(p<0.05)、これは8-12時の採食時間の増加に影響を受けていると考えられた。以上の結果から、TMR中のでんぷん濃度を適正化したことにより、反芻に規則正しい日内変動が発現することが認められた。※本研究は、JRA・畜産振興事業で実施した。