第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

患者管理

[O120] 一般演題・口演120
患者管理05

2019年3月2日(土) 09:45 〜 10:35 第21会場 (グランドプリンスホテル京都B1F ローズルーム)

座長:仁科 典子(大阪警察病院看護部管理室)

[O120-2] A病院ICUにおける、看護師間の家族情報の共有について―家族看護を提供するにあたっての課題の明確化―

庄子 総, 戸羽 一恵, 浜辺 美恵子, 河本 宏美, 渡邊 陽子, 瀬川 真砂代 (社会医療法人 孝仁会 北海道大野記念病院 集中治療室)

【背景】A病院集中治療室(以下ICU)では、急変患者の家族との関わりで、患者ケアを行うにあたり、家族情報が看護師間で共有できていない事例があり対策を講じていた。しかし、現在でも情報共有ができていない場面があり、何故、情報が途絶えてしまうのかという疑問が生じた。【目的】ICUにおける家族看護を提供するにあたり、看護師間の情報共有の実態を調査し、今後の課題を見出す。【方法】一部記述的質問紙を用いた実態調査。ICUに勤務している看護師全員を対象にアンケートを実施。辰巳らの「ICU患者家族ニーズの抽出とニーズ測定尺度の開発」のニーズの項目を活用し、データは単純集計した。【結果】アンケート回収率は90.3%、看護師平均経験年数7.9年、ICU平均経験年数4.8年であった。『病状の理解を確認している』は「はい」と答えたのは27件(96%)「いいえ」と答えたのは1件(4%)であった。その場面を「全て記録している」が8件(29%)「要約して記録している」は15件(54%)「不要なものは記録しない」が5件(17%)であった。カンファレンスで「積極的に発言する」は13件(52%)「発言しない」が12件(48%)であった。『急変に伴う不安の傾聴』では「している」が26件(93%)「していない」は2件(7%)であった。その場面を「全て記録している」が12件(46%)「要約して記録している」は10件(39%)「不要なものは記録しない」が4件(15%)であった。カンファレンスで「積極的に発言する」は13件(57%)「発言しない」が10件(43%)であった。また、いずれもカンファレンスに関しては、看護師経験年数及びクリティカルケア領域の経験年数が高いほど積極的に発言していた。『家族情報が共有されていないことで困ったこと』の自由記載では、「家族の思いや要望、家族背景の記録が書いていなかったり、事実と異なったことが書かれていた」との意見があった。【結論】1.統一した看護記録の記載基準を作成する必要がある。2.カンファレンスでは、経験が浅い看護師の発言が増える関わりが必要である。