[O73-2] エネルギー制限高蛋白乳清ペプチド消化態流動食投与が与えるBUNへの影響の検討
【背景】日本集中治療医学会から栄養療法ガイドラインが発行され、急性期のエネルギー制限や目標蛋白量などが示された。ガイドラインを基にペプタメンインテンス(R)を用いた重症患者向けの栄養管理プロトコルを作成し、2018年1月から運用を開始した。プロトコルの概要は、入院後24時間以内にペプタメンインテンス(R)を10ml/hrの持続投与で開始する。24時間毎に10ml/hrずつ増量し、40ml/hrを達成する。急性期の目標量の蛋白投与は重要であるが、同時にBUN上昇が懸念されている。
【目的】エネルギー制限高蛋白乳清ペプチド消化態流動食が与えるBUNへの影響を検討する。
【方法】2018年1月から8月に当院救命救急センターICUに入院し、4日以上集中治療が行われプロトコルが適用された症例を対象に後方視的に検討した。入院時と第7病日のBUNをWilcoxonの符号付順位和検定を用いて比較した。
【結果】対象となった症例は19例で、男性11例(57.9%)、女性8例(42.1%)、年齢の中央値48歳(範囲:17歳から86歳)であった。第7病日までにプロトコルを離脱したのは8例で、プロトコル離脱の原因は経口摂取可能1例、循環動態不良3例、腸管不耐性1例、死亡3例であった。BUN 100 mg/dL以上の上昇や尿毒症などによる離脱症例はなかった。維持透析患者はおらず、持続的腎代替療法を施行したのは3例であった。7日間以上プロトコルに則り経腸栄養が行われた11例であった。入院時と第7病日のBUNを比較し有意差は認めなかったものの、基準値より上昇したのは4例であった。そのうちクレアチニンの上昇も伴っていた1例は、第8病日に黒色便を認め消化管出血の疑いがあった。
【結論】高蛋白負荷を行うとBUNが上昇する症例も多いが、今回の11例では入院時と第7病日の2群間の比較で統計的に有意な上昇ではなかった。高蛋白乳清ペプチド消化態流動食がBUNの上昇に影響を与える可能性は十分あるが、BUN 100 mg/dL以上の上昇や尿毒症により高蛋白負荷を中止した症例はなかった。これらより急性期に高蛋白負荷を行うことの安全性が示唆された。
【目的】エネルギー制限高蛋白乳清ペプチド消化態流動食が与えるBUNへの影響を検討する。
【方法】2018年1月から8月に当院救命救急センターICUに入院し、4日以上集中治療が行われプロトコルが適用された症例を対象に後方視的に検討した。入院時と第7病日のBUNをWilcoxonの符号付順位和検定を用いて比較した。
【結果】対象となった症例は19例で、男性11例(57.9%)、女性8例(42.1%)、年齢の中央値48歳(範囲:17歳から86歳)であった。第7病日までにプロトコルを離脱したのは8例で、プロトコル離脱の原因は経口摂取可能1例、循環動態不良3例、腸管不耐性1例、死亡3例であった。BUN 100 mg/dL以上の上昇や尿毒症などによる離脱症例はなかった。維持透析患者はおらず、持続的腎代替療法を施行したのは3例であった。7日間以上プロトコルに則り経腸栄養が行われた11例であった。入院時と第7病日のBUNを比較し有意差は認めなかったものの、基準値より上昇したのは4例であった。そのうちクレアチニンの上昇も伴っていた1例は、第8病日に黒色便を認め消化管出血の疑いがあった。
【結論】高蛋白負荷を行うとBUNが上昇する症例も多いが、今回の11例では入院時と第7病日の2群間の比較で統計的に有意な上昇ではなかった。高蛋白乳清ペプチド消化態流動食がBUNの上昇に影響を与える可能性は十分あるが、BUN 100 mg/dL以上の上昇や尿毒症により高蛋白負荷を中止した症例はなかった。これらより急性期に高蛋白負荷を行うことの安全性が示唆された。