第96回日本医療機器学会大会

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ポスター演題

ポスター演題

[P6] ACアウトレットの故障による絶縁監視装置の発報

山本 遼太郎1, 濱田 亜弥2, 花倉 かおり2, 前田 龍弥2 (1.鹿児島市医師会病院 診療支援部 医療機器管理室, 2.鹿児島市医師会病院 看護部 手術室・中央材料滅菌室)

【はじめに】
絶縁監視装置は感電による危険を取り除くため,重度な医療処置を実施する医用室に必要とされている.当院においても,手術室,ICUに光商工㈱製LMA-21Aを設置している.今回,ACアウトレットの不良により絶縁監視装置の発報を経験したので報告する.
【事例】
子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術を試行中,ACアウトレットへ経腟エコーをつないだ際に絶縁監視装置が発報した.
手術終了後に全使用機器の絶縁状態の点検をおこなったが,すべて1.0MΩ以上となっており絶縁状態に問題はなく,手術室のすべてのACアウトレットから機器を取り外したが,絶縁監視装置の警報は回復しなかった.そのためACアウトレットの異常を疑い,ACアウトレット1系統ごとに電源の遮断をおこなったところ,1つの系統にて絶縁監視装置が発報することが判明した.当院監視室へ原因調査および修理を依頼し原因の特定をおこなったところ,ACアウトレット内部の埋め込みボックスと配線間で短絡が発生していた.
【原因および対策】
約10年前に手術室ACアウトレットの増設をおこなった際に,2口ソケットから4口ソケットへ変更をおこなった.その際,埋め込みボックスは2ソケット用からの変更はしておらず,真横にC型はさみ金具を用い増設をおこなっていた.配線は埋め込みボックスに接触する形で配線されており,10年間のACアウトレットへの抜き差しの振動などで,徐々に被覆に亀裂が入っていったと考えられる.
対策として,配線の変更,ボックス用継枠を設置し埋め込みボックスへ接触しないようにした.
【おわりに】
ACアウトレットの増設が必要となる場合,増設時には内部配線の配置に留意するとともに,設備側の絶縁状態も定期的にチェックをおこなうことが必要である.