第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

大血管-flow

大血管-flow

2014年9月19日(金) 11:20 〜 12:20 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:松永尚文(山口大学大学院医学系研究科 放射線医学分野)

[O-2-147] 心大血管の4D PCA

高橋護1, 竹原康雄2, 遠山典宏1, 一条勝利1, 藤崎賢二3, 永峰岳樹3, 天野智康3, 福間由紀子4, 奥秋知幸4, 阪原晴海5 (1.聖隷三方原病院 放射線科, 2.浜松医科附属病院 放射線部, 3.聖隷三方原病院 画, 4.Philips Electronics Japan, Ltd, 5.浜松医科大学 放射線科)

「はじめに」4D PCAは、Hadamard法を用いた3D cine PCAの3軸の位相情報から計算される多時相の血管イメージ(PCA-M)で、その信号強度は、√(X^2+ Y^2+ Z^2)で計算され、 血流などの速さに比例したものとなる。ワークステーション上で、観察方向と時相を変えながら観察することにより血行動態に関する情報を直感的に得ることができる。「目的」心大血管血行動態観察において、4D PCAの有用性を検討することにある。「対象」心大血管病変を疑われMRIを行った患者(60人)「方法」Ingenia 3.0T。通常のルーチン検査に加え、3D cine PCA (PPU gate, TR / TE / FA = 3.8 / 2.3 / 10, 12 or 20 phases / cycle, sense factor = 3 - 3.5)を撮影。自動で生成されるPCA-Mをワークステーション上で時相と観察方法を任意に変えながら観察した(4D PCA)。「結果」大動脈解離(2人)、先天的心奇形(3人)、心臓弁膜症(19人)などの心大血管疾患で、4D PCAを通常のルーチン検査に付け加えることで、血行動態に関する情報を簡便に得ることができ、従来の検査法では不明瞭だった異常所見が明瞭に描出されることがあった(弁膜症18人/ 19 人(95%)で診断可能であった)。血流の方向が診断に重要な意義を有する疾患  人においてでも、4D PCAで時相を変えて観察することにより、診断が可能であった。「考察」従来のbalanced FFE法で血行動態を観察する場合、非常に速い血流のみが低信号のjetとして描出され、認識可能であるが、4D PCAでは、信号強度は流速に比例して高くなるので、遅い血流から速い血流までの広い範囲で流速の直観的判定が観察可能である。GRE法では、流れがあればinflow効果による高信号として認識できるが、速い領域ではjetによる低信号が発生して相殺し流速の解釈が困難となることもある。4D PCAでは、信号強度は流速に比例して直線的に変化するので解釈が容易である。「結語」心大血管疾患において、4D PCAは、血行動態に関する有益な情報を得ることができる。