第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

骨関節-緩和時間

骨関節-緩和時間

2014年9月20日(土) 11:30 〜 12:10 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:新津守(埼玉医科大学 放射線科)

[O-3-323] 軟骨下骨評価のためのUTEシーケンスによるT2 star mappingの検討

明田川尚宏1, 青木孝子2, 栗田京助1, 橋本利恵子1, Nielsen Matthew3, 新津守2 (1.埼玉医科大学病院 中央放射線部, 2.埼玉医科大学病院 放射線科, 3.シーメンス・ジャパン株式会社)

【背景】変形性膝関節症初期にみられる関節軟骨変性の所見として軟骨荷重部では過荷重や非生理的衝撃によって軟骨下骨に微小骨折が生じる。軟骨下骨では血管が介入しているため微小骨折によって1型コラーゲンが修復され線維化と骨硬化がおこり軟骨変性が進んでいくため、微小骨折の有無を評価できることは臨床的に重要である。軟骨下骨はT2値が非常に短いため通常の撮影法では描出が困難である。そこで短いT2値の成分を検出できるUltrashort TE (UTE) 実験用シーケンスを用いたT2* mappingで評価をするため、撮影条件(最適なTE)を検討した。
【方法】健常ボランティア10名(男性8名、女性3名、平均年齢36.3歳)の膝をTR = 6.10 ms, FOV 212×212 mm, resolution 0.78×0.78×0.78 mm, FA 14°, 8つのTE (0.1~1.6 ms) で撮影し、軟骨下骨荷重部のT2*値を測定した。撮影時間を短縮するために、4つのTEでのT2* 測定も検討した。T2* mapの作成にはImage JのpluginsであるMRI Processor を用い、各pixel でsingle-component exponential fittingを行った。
【結果】健常ボランティアの軟骨下骨のT2* 値は8つのTEを用いた時に半月板と同じ程度のT2*値が表示されたため、1.6 msのTEを外した。また、0.1から0.3 msのTEはばらつきが大きく、0.4から1.2 msのTEによるT2*値は600から1000 μs であった。4つのTEの組み合わせではTE = 0.4、0.6、0.8、1.0 msが最適であった。
【考察】今回の検討で、1 ms未満のT2*値を有する組織を対象とする場合、4つのTEでT2* 計測をすると算出されるT2*値は使用するTEの組み合わせにより変化し、0.3 ms以下のTEを使用すると誤差が大きくなった。そのため、最短TEは0.4 msとした。T2* mappingによる微小骨折の評価はT2 mappingと同様にコラーゲンの質的評価が可能であると考えられ、臨床例での検討が期待される。
【結論】UTEを用いたT2* mappingの測定に必要な4つのTEの組み合わせはTE = 0.4、0.6、0.8、1.0 msで、健常ボランティアのT2* 値は0.6~1.0 msであった。