[P-1-050] 膝関節における脂肪抑制併用3D-PDwの最適化
【背景・目的】変形性膝関節症の進行度を評価する方法として, Whole-Organ Magnetic Resonance Imaging Score(WORMS), Boston Leeds Osteoarthritis Knee Score(BLOKS)がある. これらの評価方法では, 病態を評価する目的として脂肪抑制併用2D-T2w(FS 2D-T2w), 構造を評価する目的として脂肪抑制併用3D-T1GRE(FS 3D-T1w) の使用が推奨されている. 今回われわれは病態・構造を1つのシーケンスで評価することを目的に, 脂肪抑制併用3D-PDw(FS 3D-PDw)を用い, 条件の最適化を行ったので報告する. 【方法】MRI装置は, フィリップス社製Achieva1.5Tで, 受信コイルはSENSE-knee coil (8ch) を使用した. 病態を評価することを目的としてT2値の長い成分を強調すること, また, 構造の評価を目的として, 関節液と軟骨の高いコントラスト・高いSNRを有する画像が得られることを最適化の条件とした. 自作ファントム(筋肉, 軟骨, 関節液を模擬)及び研究の主旨を十分に説明し, 同意の得られた健常ボランティアに対して, FS 3D-PDwの撮像条件(turbo direction : y, radial, Refocusing flip angle : 30deg-120deg)を可変し撮像を行い, 得られた画像の画質評価(SNR, CNR)を行った.【結果・結語】最適化された撮像条件 (turbo direction : radial, Refocusing flip angle : 80deg程度)を用いることで, FS 2D-T2w及びFS 3D-T1wと同等以上の画像を得ることが可能となった.今後臨床経験を重ね, 本シーケンスが変形性膝関節症の進行度評価に適応があるか検証して行きたい.