[P-3-218] リポソーム型ナノ粒子磁性体の複合合成
【背景】免疫機構から異物と認識されにくい性質を持ったポリエチレングリコールをリポソームと呼ばれる閉鎖小胞に修飾させたRES回避リポソームの研究開発が行われている.【目的】RES回避リポソームをモデルとした糖被膜型磁性流体を作製する為,多糖であるコンドロイチン硫酸とPEGをエステル結合により合成させたPEG化コンドロイチン硫酸を作製した。さらに、それを分散剤として用いた糖被膜型磁性流体の作製をおこなった。【方法】複合化1、PEG化糖被膜型MFを作製するためには糖をPEG化する必要がある.PEGと糖のエステル結合を用いた複合化およびアミド結合によるPEG化.メトキシPEG末端水酸基のアミノ化によるPEG化を行った.糖[糖=コンドロイチン硫酸C(以下CS)]複合化2、水酸基結合によるPEG化コンドロイチン硫酸CおよびアミドPEG化CSを分散剤に用いた糖被膜型MF(PEG/CS/MF)の作製【結果】飽和磁化値,組成,コア粒子径,及びコロイド径をPEG修飾の有無で比較することにより,PEG修飾が糖被膜型磁性流体に与える影響を調査した.合成時pH7付近におけるPEG修飾による飽和磁化値は8~15%程度の減少した.PEG修飾の有無に関わらず試料の回折ピーク位置はマグヘマイトと一致したため, 合成時pH7付近において,PEG修飾によるコアの組成変化はみられないことが確認された.合成時pH7付近におけるPEG修飾は,コア粒子径にほとんど影響を与えないことが確認された.DLSによるコロイド径の測定結果からPEG修飾の有無によるコロイド径を比較すると,PEGを修飾した場合,PEGを修飾しなかった場合よりも約42%のコロイド径の増大がみられた.【結論】1、PEG化コンドロイチン硫酸の合成.コンドロイチン硫酸,PEGメチルエーテルおよび合成にて得られた試料解析を1H-NMRスペクトル法とIR法で行った.2、コンドロイチン硫酸,PEGメチルエーテルのNMRスペクトルと試料のNMRスペクトルとの比較を行い試料中に含まれる物質の同定を行った.