第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-20] 放射線性口腔粘膜炎の評価法に関する研究

〇福田 はるか1、久保田 耕世1、中川 祥1、伊藤 良平1、秋山 なつみ1、田中 祐介2、成田 紀彦3、小林 恒1 (1.弘前大学 大学院 医学研究科 歯科口腔外科学講座、2.公立野辺地病院 歯科口腔外科、3.北秋田市民病院 歯科口腔外科)


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【目的】
口腔が照射野に含まれる化学放射線治療において,口腔粘膜炎は重要な有害事象の一つだ.現在,口腔粘膜炎の評価は有害事象共通用語規準v4.0が用いられており,それにより評価するとほぼ全症例がGrade3と判定され重症度を評価することは難しい.そこで,口腔粘膜炎の重症度の指標として経口摂取不能期間の有用性を検討するとともに,口腔粘膜炎の重症度を予測するパラメーターを見出すことを目的としている.
【対象及び方法】
2006年5月から2017年8月に当科で,化学放射線治療を行った67症例を対象とした.口腔粘膜炎により経口摂取不能となるまでの期間,経口摂取不能期間,麻薬の一日最大投与量(モルヒネ換算量),麻薬投与期間,入院期間の相関関係を統計学的に検討し,口腔粘膜炎の指標として経口摂取不能期間が適切であるかを検証した.さらに,血液データより口腔粘膜炎の重症度予想の可能性についても調査する.
【結果,結論】
男性51例,女性16例,平均年齢は65.6歳だった.経口摂取不能期間(平均39.0日)と経口摂取不能までの期間(30.6日),1日最大麻薬投与量(111.7mg/day),麻薬投与期間(76.7日),入院期間(108.9日)はいずれも有意に相関していた.経口摂取不能期間は連続変数であり,口腔粘膜炎の指標としては最も適切であると考えられる.さらに口腔粘膜炎の重症度予測についても検討する.