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[P68-04] 当院におけるTCPC前後のPA index、Rp、PA圧の検討
キーワード:TCPC、Fenestration、PA pressure
【背景】1971年に三尖弁閉鎖症に対する術式としてFontan手術が報告されてから様々な変遷を経てきて、現在では心外導管(extracardiac conduit)を用いた手法が主流となり良好な成績の報告が多い。当院においても心外導管を用いたTCPC(total cavopulmonary connection)が行われている。肺血管抵抗が遠隔期の合併症に寄与しており手術適応の是非および術後のカテーテルでの評価が重要である。【目的】2015年12月31日までに当院では359名のFontan手術が行われた。その中で中心静脈圧の上昇から開窓手術(Fenestration)をおいた症例も認める。TCPC前後でのカテーテル検査でのPA index、Rp、PA圧を検討した。【方法】2009年から2014年の6年間に当院でTCPCを施行した50人(A群)と1990年から2014年までの25年でFenestrationをおいた症例の13人(B群)を対象として後方視的に検討した。各群における、TCPC前およびTCPC後1年のカテーテル検査でのPA index、Rp、PA圧および両群で比較検討を行った。【結果】TCPCを施行した50人(A群)うちTCPCを受けた時の年齢は10か月から12歳5か月までであり中央値は1歳9か月であった。Fenestrationをおいた症例の13人(B群)ではTCPCを受けた時の年齢は1歳2か月から7歳4か月までであり中央値は2歳3か月であった。A群とB群において年齢での有意差はなかった。A群でのTCPC前の平均PAI 237、Rp 1.58U/m2、PA圧 8.6mmHg、TCPC後の平均PAI 196、Rp 1.73U/m2、PA圧 10.1mmHg、B群でのTCPC前の平均PAI 184、Rp 1.68U/m2、PA圧 10.4mmHg、TCPC後平均PAI 160、Rp 2.74U/m2、PA圧 12.5mmHgであった。A群、B群においてTCPC前後のPAI、Rp、PA圧において検討したところ、PAI、RpはTCPC前後において有意差を認めなかった。PA圧においてはTCPC前後において有意差を認めた。(前P=0.007、後P=0.032)。【結語】当院においてはTCPC前のPA圧として12mmHg以上は有意に高い事が示唆された。