第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

周産期・心疾患合併妊婦

ポスター (I-P10)
周産期・心疾患合併妊婦

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:西口 富三(静岡県立こども病院 周産期センター)

18:00 〜 19:00

[I-P10-02] 胎児先天性心疾患を合併した多胎妊娠症例の周産期

富田 陽一, 石井 徹子, 朴 仁三 (東京女子医科大学病院 循環器小児科)

キーワード:先天性心疾患, 多胎妊娠, 胎児超音波

【背景】多胎妊娠症例の胎児先天性心疾患(fCHD)は周産期管理に影響を及ぼす可能性がある。【目的】fCHDを合併した多胎妊娠症例の臨床経過を検討し、周産期管理の注意点を明らかにする。【対象・方法】fCHDと診断された多胎妊娠で、臨床経過が追跡可能であった5症例。臨床経過を診療記録から後方視的に検討した。【結果】症例1:三尖弁閉鎖症(2c)、品胎、在胎33週1日、出生体重1466g。症例2:多脾症候群、房室中隔欠損、両大血管右室起始症、両側動脈管開存、Nonconfluent pulmonary artery、二絨毛膜二羊膜双胎、34週4日、2110g。症例3:純型肺動脈閉鎖、一絨毛膜二羊膜(MD)双胎、33週3日、1560g。症例4:左室性単心室、大動脈弓低形成、MD双胎、37週4日、2344g。症例5:右室低形成、三尖弁逆流、MD双胎、30週0日、1202gであった。症例1~4で外科的治療介入を必要とし、出生体重2kgを超えた2例には、症例2が日齢11に左BTシャント術、症例4が日齢4に両側肺動脈絞扼術を出生前に想定された時期に行うことができた。出生体重2kg以下の症例1、3では長期の術前管理の必要性が想定され、新生児科、産科、外科と妊娠継続の可否及び、出産後の管理に関し検討を行った。症例1は当時窒素吸入療法の使用経験の浅かったNICUではなく小児ICUでの管理を行い、日齢76に1723gで肺動脈絞扼術を行った。症例2はNICUで長期窒素吸入療法のもとプロスタグランジンの投与量調整を行い、日齢61に1706gでBTシャント術、Brock手術を行った。【考察】多胎妊娠では早産、低出生体重のリスクが高い。出生前の正確な診断のもと、新生児科、産科、外科と周産期管理について準備する必要性があると考えられた。