18:00 〜 19:00
[I-P13-05] 致命的先天性心疾患スクリーニングの普及に向けた取り組み ~産科病院へのアンケート調査~
キーワード:スクリーニング, 新生児, 酸素飽和度測定
【背景】新生児期~乳児期に何らかの介入を必要とする致命的先天性心疾患(CCHD)に対し、右手と下肢の酸素飽和度を用いて循環動態の急変前に発見、対応するスクリーニング法(CCHD-S)が国内でも始められている。【目的】京都市内、京都府下の新生児を扱う一般産科病棟におけるCCHD-Sの施行状況と導入/施行に際しての問題点を明らかにする。【対象】主に健常新生児を扱う一般産科病院/病棟、京都市内31施設(うち総合病院10施設)。京都府下25施設(うち総合病院10施設)。高次医療機関である大学付属病院は除いた。【方法】郵送によるアンケート方式により各施設の新生児に対する酸素飽和度測定の時期、部位について質問を行った。またCCHD-Sについてパンフレットを同封し疑問や意見を集約した。【結果】京都市内、府下それぞれ23および16施設から回答を得た(69.6%)。すべての新生児に、入院中、一回は酸素飽和度測定を行っている施設は、京都市内15施設(65%)京都府下10施設(62.5%)であった。施行時期は出生直後~カンガルーケア時までが最も多く、日齢1以降にも施行する施設は京都市内で2施設(8%)、府下で3施設(18.8%)であった。また測定部位は右手のみが最も多かった(京都市内73%、府下50%)。CCHD-Sに則った測定を行っている施設は1施設のみであった。スクリーニング陽性時の対応やコスト面での質問を多く得た。【考察】全ての新生児に、一度は酸素飽和度測定を行っている施設は6割を超え、測定は広く行われていた。新生児蘇生法(NCPR)に基づくと思われる日齢0かつ右手のみの測定が多かった。測定手技は浸透しておりCCHD-S導入の素地はあると思われたが、NCPRの酸素飽和度の正常基準はCCHD-Sより低い事を強調しなければならない。スクリーニング陽性児の精査を行う基幹病院と高次医療機関との連携、コストの面では消毒可能なプローブの紹介などが今後の課題と考えられた。